ストーブの季節がやってきた
外の木の葉もほんのり黄色や赤に色づいてきて、今年も秋がやってきたなぁ、としみじみ思う。
朝の空気も、日に日にひんやりしたものに変わっている。
体温でぬくぬくした布団からなかなか出られない、そんな季節になった。
そして昨日、ついにストーブを解禁した。
朝起きた後、リビングがあまりにも寒すぎて、何も考えずつけてしまった。
毎年、ストーブ解禁にあたり、私はかなりの時間をかけタイミングを見計らっている。
「ストーブつけようかな」
「いや、やっぱりまだ時期じゃないよな……」
「でも寒いし……」と葛藤した末、「よし、つけるぞ……!」と、一人で物々しく点火式を開催していた。
それが、なぜか今年は何一つ躊躇することなくスイッチを押してしまった。
あまりにも、あっけない点火。
自分の突発的な行動に驚いている間に、部屋は徐々に暖められていく。
久しぶりにつけたストーブからは冬の匂いがした。
* * *
この匂いを嗅ぐと、子どものころ家にあったストーブを思い出す。
うちにあったストーブの上には冬の間やかんが置かれていて、そのお湯を使ってよくお茶をいれた。
さつまいもをアルミホイルに包んでストーブの上に置き、焼き芋をしたこともあった。
もちろん、正しいストーブの使い方ではないと思うけれど、北海道の厳しい冬を過ごす中の、ささやかな楽しみだった。
あと、お風呂からあがった後に、髪を濡らしたまま急いでストーブの前に行き、ストーブの鉄板に向かってヘドバンするのも好きだった。
飛んだ水が「ジュッ」と音を立てて、一瞬で蒸発するのが面白くて。
もちろん、お母さんからは「やめなさい」と言われていたけど……。笑
* * *
今家にあるストーブは、上に鉄板のない小さいタイプだから、芋を焼いたりヘドバンして水滴を蒸発させたりは出来ない。
だけど、しっかりと暖かい。
起きたばかりの体、外に出る前の心細い心を、ほんわり優しく温めてくれる。
もっとも、これがストーブ本来の機能な訳ですが……。
単純に寒いときだけでなく、不安を感じたり緊張状態にあるときは、まずは体を温めたらいいと聞く。
風邪やら色んなウイルスやらも流行ってくるので、しっかり体を温めて、自分のことを大切にしながら寒い季節を乗り越えたいなと思う。