【小説】不完全燃焼3
その競技はサッカー。
はじめてのゴールは小学3年生のハーフライン付近からのロングシュート。40年経った今でも覚えている。たぶんあのゴールは今では俺しか覚えていないであろう。そのあたりから試合中にふと脇を見ると親父が仕事中に応援にくるようになった。俺の試合を一番見たのは間違いなく親父と思っている。
いつか、親父が死ぬ前にサッカーの試合で俺の何がよかったか、聞いてみたい。
大学卒業後、土日休みの銀行に就職した。志望動機は土日休み。なんて言えるわけもなく、ありきたりの志望動機でなんとか就職できた。とにかく毎日毎日、職場が嫌でしょうがなかった。それがピークに達した後に転職した。
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