御朱印帳と城廻り

私が最初に御朱印を頂いたのは仙台の伊達家菩提寺である瑞巌寺でした。出張で仙台に行ったときに仕事を終えて少し観光して帰ろう、となって行ったのが瑞巌寺で、一緒にいた先輩が既に御朱印帳を持っていてそこで御朱印を貰い、そんなものがあるのか、と初めて御朱印の存在を知った私はその場で御朱印帳を購入しました。それっていつ頃だったのか、調べてみると平成11年のことでした。その御朱印帳は祖母が亡くなったときにお棺に入れたので今はありませんが中のご朱印は全て写真に撮っておきました。日付が記載されるのも御朱印の良いところです。その当時は未だ御朱印帳を持っていて御朱印を集めている人は極少数派で、御朱印を貰うために並ぶことなど全く無かったし、どこの寺社でも私が御朱印を頼んで頂くまでの間、他に御朱印を頼む人は一人もいないという状況が当たり前でした。混雑するようになったのはここ10年くらいのことと思います。話を戻すと、私はそれまで旅行に行ったり遠くに出張に出掛けたりしたときにはその場所の城を観るのを楽しみにしていました。歴史好きなら当然のことですが、しかし御朱印を始めてからは徐々に御朱印を貰うことが主となって城廻りが従となってしまいました。御朱印は観光スタンプとは違う、とは言うものの、その土地の寺社に行ってそこだけのオリジナルの御朱印を頂き、日付も記載されるというのは記念として保存しておくにも良いものです。私が御朱印を始めて24年ということになりますが、御朱印帳は今使っているものが4冊目で、今のものは未だ使い始めたばかりなので7~8年に1冊ということになりましょうか。そんなに早いペースではありません。それでもこれまで多くの御朱印を頂いてきたもので、城廻りを絡めた御朱印の思い出について書きたいと思います。思い出す限りで最も最近の話では、関西方面に出張に行ったときのこと。タイトなスケジュールで朝一番の電車に乗れば朝のうちに少しだけ観光の時間が確保できる感じでした。途中のルートに淀駅があって、駅の近くに淀城という城の跡がありました。駅からも近いし規模も小さいようなので時間的にも良さそうで、おまけに城跡の中に與杼神社という神社もあって御朱印が貰えれば一石二鳥でした。時間が無かったのでもし御朱印が貰えないと遠回りで無駄足にもなるので神社に電話を入れて、日程と大体の時間を伝えて、朝早い時間でしたが大丈夫か聞いてみるとOKでした。それで当日、社務所に行くと神主の奥さんらしき人が出て来て「電話を頂いた方ですか?」と聞かれ親切丁寧な対応をして頂きました。そして感じのいいこちらも親切そうな神主さんが出て来て御朱印を頂くことが出来ました。少し寒い時期だったこともあり熱いお茶まで頂き恐縮しました。淀城跡は小さな公園になっていて城の規模も小さいようでしたが如何にも古城跡という感じの風情を感じました。親切な神主夫妻のお陰で短時間でも心温まる観光になりました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?