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【こくごの授業中】鷲田清一「真の自立とは」1. 読解マップをつくろう

授業の様子をご紹介。

今回は鷲田清一「真の自立とは」です。
今は〈現代の国語〉という教科であつかう正統派評論文です。

今年度の僕の授業では「教える」のではなく、生徒の「学び」に焦点を当てています。なので一斉授業はしていません。
授業についての考え方とか細かいことは今度にして。

では、授業の様子を少し覗いてみましょう。

今回は生徒たちに「読解マップ」なるものを作ってもらっています。

「読解マップ」、受験指導で現代文を扱われる先生方はご存知かもしれませんね。
「読解マップ」とは文章の論理を意識するために、要点をワードやセンテンスで抜き出して図式化して整理・マッピングしていくものです。
ドラマの人物相関図みたいな感じです。

「読解マップ」に正解はありません。
自分で読み取って、自分が理解できるようにノートにまとめていきます。
もちろん答えはありません。黒板を写すこともしません。
ただ「学び」の目標として方向性は提示します。


こんな感じ。
本文を前後半に分けて「読解マップ」を構成して、それぞれ筆者が述べる〈社会の問題点〉とそれに対する〈提案〉を抽出する。
たしかに読みに答えはありませんが、評論文ですから筆者の主張を客観的に読み取ることは大切です。

今回のポイントの活動は赤色の「社会課題を考える」です。
筆者の述べていることを、自分ごととして理解するんです。
そして、身の回りの社会課題と結びつけていく。
まあ社会課題なんて言ってますが、ちょっとした身の回りの課題でいいんです。取るに足らないと思えるものでいい。でもそういうことって社会の問題の末端であることが多いんです。たどっていけば、何らかの社会課題に行き当たる。それに気付く。それでいい。

この取り組みは課題を見つけるだけでおしまい。
自ら課題を立てることが目的です。
つい答えを探したり、解決策を考えたりしがちですが、それはまたの機会に。たぶん50分やそこらでは見つかりません。それぞれの社会課題は、見つけた人が人生をかけて考えていく問題です。たいへんなようですが、見つけた人だけに許された知的な愉しみでもあります。

というわけで、時間が来ました。
今日の授業はここまでです。
現代文の授業としては結構意外で「そんな授業、、、」と思われるかもしれませんが、これが結構いけるんです。
確実にこれまで以上に生徒は本文を読んでいるし、教科書とノートを行き来してページをめくってはペンを走らせています。

それではまた次の授業で。

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