海の泡|『人魚の姫』
『人魚の姫』 アンデルセン 著・矢崎 源九郎 訳
一目見ただけで人間の王子に恋した人魚の姫は、王子とともに暮したいばかりに、美しい声と引換えに魔女から薬をもらったが……。
あまりにも有名な表題作をはじめ、世界じゅうで今なお読みつがれるアンデルセン童話から、「すずの兵隊さん」「ナイチンゲール」「のろまのハンス」「イーダちゃんのお花」「モミの木」「雪だるま」「アヒルの庭で」「いいなずけ」など16編を収録。
手に入れた本がとても古かったので、当時通っていた製本教室で自分で装丁し直した本だ。
できたときは綺麗だし、愛着が湧くし、とてもうれしかった。
『人魚の姫』は、思っていたよりも、もっとずっと綺麗な話だった。
やはり、子ども向けに書き直されたものは、繊細で美しい表現などがだいぶ省略されてしまっているようだ。
もちろん、ディズニーの『リトルマーメード』を思い浮かべていたわけじゃない。
子どもの時に読み聞かせてもらった「人魚姫は泡になって消えてしまいました」というラストシーンがとても印象的で、悲しいけれど儚くて大好きだったから。
綺麗で、苦しくて、悲しかった。そして幸せだった。
アンデルセン童話集にはそんな話が多かった。
童話ってなんだろう。
理不尽と不条理が詰まっている。
― 2009年4月3日 読了
《処方》
💊 「なぜ、自分だけがこんな目に」と思うとき
💊 真理に迷ったら
💊 「悪い自分」が疼くとき
《印象的な言葉》
「全世界は、奇跡の連続ですよ」
『人形つかい』
考えというものは、わたしたちから、離れているようにみえても、離れているものではありません。
『アンネ・リスベット』
私の手元にある新潮文庫本はとても古かったけど、その後販売されていたピンクのかわいい表紙のものも、もう売られていない様子。
『アンデルセン傑作集』になってしまって、訳者も違うので、きっとまた全く別の印象なのだろうな。
コラージュは『人魚の姫』をイメージして2007年に作成したものです。
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