子どもたちのピアプレッシャー|暮らしからHR
【ピア-プレッシャー】
仲間からの自然な圧力のこと。同調圧力とも言われている。断れない空気を生むなどネガティブな側面もあるが、意識の高い人がいることで周囲にポジティブな影響を与えることもある。
よいピアプレッシャーは勉強のモチベーションにポジティブな効果が期待できる。
ネガティブ:「先輩が残業してるから自分も残ったほうがいいよね……?」
ポジティブ:「◯◯ちゃんが勉強をがんばっているから私もがんばろう!」
「●●ちゃんはおはしになったんだ」
家で、お箸で夕食を食べながら、4歳がぼそっと言った。
「どうして●●ちゃんはお箸が使えるようになったの?」
話を聞くとこうだった。
年中になるとお箸の使い方を先生にチェックしてもらい、合格すると給食の先生からお箸がもらえるらしい。
お箸の後ろが × になってしまったりするとだめで、4歳はまだ少し重なってしまうことがあるそうだ。
お箸を上手に使えるように、保育園ではお豆を掴むなどの自主練ができるようになっている。
「4歳も毎日練習してるの?」
「ちょっとやってる」
ここ最近、4歳に「今日は保育園でなにしたの?」と聞いても「けいさつごっこ」という返事しか返ってこなかったので、自主練も気が向いたときにちょこっとやっているのだろう。
「でも、家でもお箸を使ってご飯を食べているし、お豆もお豆腐もお箸で食べられるのに、まだ合格できないなんて、結構厳しいんだな。」そう思っていた。
「4歳もお箸使いたいんだ?」
「うん…」
そんな会話があったので、保育園の連絡ノートに何気なく、
保育園でも早くお箸が使えるようになりたいようです。
と書ておいた。
次の日、お迎えの時に担任の先生が声をかけてくれた。
「4歳くん、毎日お箸の練習がんばってるんです!
もうあとちょっとでお箸になれそうです。」
「そうなんですね!本人はあまり練習していないようなことを言ってたので。」
「いいえ。毎日自分からお箸の練習したいって言ってくるんです。
4歳くんが毎日練習しているのでまったくお箸に興味のなかった(仲よしの)●●くんも興味を持ちはじめて、練習し始めたんです!!」
と、先生がうれしそうに話してくれた。
●●くんは4歳の“なかま”で毎日一緒に遊んでいる子だ。
「いい影響を与えあってるんですよ~」
4歳はもちろん、周りの影響で悪い言葉も覚えてくる。
でも、やっぱり周りの影響で英語をならいたいと言い出した。
今回は4歳がお友だちに影響を与えたようだ。
これぞピアプレッシャー!!
その後、4歳は夕食の時に、なんでもない顔をしてぼそっと
「4歳、5月からおはし」
と言った。
それを聞いて、わたしたち夫婦は、
「やったー!!」
と大きな声と満面の笑顔で拍手した。
その反応が予想を上回ってたのだろう。
4歳はきょろきょろと両方の顔を確認し、少し照れながら「やったー」と両手を挙げた。