[ KAMOSUBA実行委員会インタビュー] - 01 株式会社あいホーム 伊藤謙 - 僕のど真ん中にある「場」をプロデュースするということ
2024年6月、宮城県仙台市青葉区にオープンした『KAMOSUBA 醸場』は、共同の・共通のレストランという意味の“Co-restaurant(コ・レストラン)”です。「東北の新たな食文化を醸す」というスローガンのもと、この場所の運営を通して、東北の食文化発展を応援し、食文化醸成のためのきっかけを作っていきたいと考えています。
自己紹介の記事をまだお読みになっていない方は、ぜひ下記よりご覧ください。
そんなKAMOSUBAプロジェクトは、現在は6人の実行委員が中心となって共創し活動しています。
ここでは、それぞれのメンバーがこのプロジェクトに参加した理由や、プロジェクトに対して抱いている想いについてご紹介いたします。個性あふれるKAMOSUBA実行委員の皆さまの魅力を、ぜひお楽しみください。
-株式会社あいホーム 伊藤謙 - 僕のど真ん中にある「場」をプロデュースするということ
僕は、工務店を経営している。
最近、人がリアルに集まる「場」そのものを作ることに取り組み始めた。
その一つに「食」イベントがある。
住宅業界にいる僕が、なぜ「食」のイベントプロデュースを始めたのか。
新しく始めた「食」のイベントに込めた想いを伝えたい。
「食」が本業じゃない僕だからこそやる「食のイベント」
食が本業であれば、自分の扱ってる商品を販売することがゴールになると思うが、僕自身は食に関する商品を何も扱ってないのでゴールは「美味しい×面白い」という感覚を共有することになる。
美味しい料理を提供するというのも、もちろん1つの価値だ。ただ、美味しい以上に「面白い」ことが大事というのが僕のイベントに対しての想いだ。参加者にいい思い出ができれば、人のことを応援したくなるし、食自体を好きになってもらえると考えた。
住と食が繋がった瞬間。#食と街の未来につくす
僕の中で「住」と「食」は、全く繋がってないものだった。
「#食と街の未来につくす」という想いに繋がったのは、「面白い食文化があるところには人がたくさん集まる」と気付いたことが大きかった。
一方で、住宅を提供する考え方にも変化があった。「家を売る」のではなく、その先にある「暮らしを売る」という感覚が強くなった。暮らしの中心には、食がある。僕自身も、食を通じて先輩経営者と出会えたことが数多くあった。そういう実体験を通して、「食で人が繋がる」という感覚が強くなっていった。
住宅を作り続けるためには、人が集まる街を創造しないといけない。工務店として地元の食文化を応援して発展させる活動ができなければ、魅力を感じる街ができないのでは?と考えた。
僕は、東北の食材の頂点を目指して日々頑張っている生産者の方を応援したいと思った。
イベントを通して目指す世界 - 根底にある「結の文化」
初回に僕がプロデュースしたイベントコンセプトは「ファーマーズライブ キッチン」。
僕が生産者の方たちのことを紹介して、参加者の方の人柄を知ってもらう。ドリンクは参加者が自分で注ぎ、注いであげる。提供されているというよりは、自分たちも参加し、お互いにコミュニケーションが取れるイベントにしたい。だからこそ、半立食形式にして自由に動き回れることにもこだわった。
それ以外にも、仙台の文化を感じる余興も取り入れたいと思っている。
ゴールは、東北を知ってもらい、魅力ある街づくり、街に必要な文化を作るということだ。キーワードになるのが「結」という思想。「結の文化」はすごく東北的で、「お互いに助け合う」という本来の意味に加えて、「高め合う」ことも意識した僕なりの「結」をイメージしている。
今回のイベントには、生産者の方だけではなく、シェフ、経営者、メディアの方も参加する。
東北内のチームで「結の精神」を持ち合って、東北の魅力が東北以外のところにまで届き、価値を感じてもらいたい。僕が考えるサスティナビリティ東北の目指すところだ。
みんなの「ホーム」を ーイベント参加者への想いー
僕がプロデュースする全てのイベントのテーマは「A Unique Community」。おもしろい人が集まるコミュニティ、唯一無二のコミュニティを目指している。
だからこそ、僕がイベントに声をかけさせて頂くのは「結」の気持ちのある人たちだ。全てのイベント共通の想いは、みんなに「ホーム」みたいに楽しんで欲しいということ。自分の家にいるような気持ちでいて欲しいと毎回思っている。
東北の新たな食文化を醸す
「場」を通じて、東北の魅力が全国に広がって欲しいと強く想う。その想いも込めて、「醸場 kamosuba」でのイベントプロデュースをすることにした。酒が発酵する時に、いい香りや魅力的な味わいが生まれる。微生物の力で勝手に醸されて、思いがけず美味しいものができちゃったという世界がいい。
主役は、イベントの参加者。これからも「場」のプロデュースを通じて、東北の食文化の発展・醸成を応援していきたい。