
股関節沼
股関節沼。
そう、今から30年ほど前。
武道系の整体術を学び、整体院で働き始めた1年目のことです。
ゴルフで股関節を痛めたという中年男性が来院され、私が施術を担当させていただきました。
が、治らない!
直らないどころか痛みが増している~。
ひらあやまりにあやまり、先輩の施術者にフォローしていただき事なきを得ました。
整体の学校で習った股関節に関する技術が全く通用しない。
この出来事で、股関節を勉強する必要を痛感したのが股関節にはまる直接の原因です。
そして、この出来事を相談した先輩が礒谷式力学療法という、何やらいかつい名前の整体術があることを教えてくれ、本を貸してくれました。
読んでみるとすごい実績もあるし、理論がシンプルでしっかりとしていると感じたので、すぐに資料請求をするために電話を掛けました。
すると院長先生と思しき女性の方が電話で対応してくださり「勉強する気があるならセミナーにいらっしゃい」と誘ってくれました。
そして、勤めていた整体院をやめて勉強に行くことに決めました。
股関節の勉強の必要性のほかにも、自分の行ったいる整体術が慰安でしかないような気がしていたので、思い切ってこの勉強にかけてみようと決意したのです。
そして、勉強を始めてみると理論がシンプルなだけに、深いんです。
一つ一つの教えの奥に自分の浅学で学びきれない何かがあるとは分かるけれど、その何かが分からない、という状態に陥りました。
しかし、ここでミラクルが起こりました。
ちょうど、退職する写真の方がいらしたので、無職の私に「ここで働かないか?」とオファーが来たのです。
私は一も二もなく「はい、喜んで」と社員になりました。
その時は、1,2年お給料いただきながら股関節の勉強できるならラッキー、それから自分で開業すればいいや、ぐらいの軽い気持ちで働き始めました。
しかし、学べば学ぶほど色々なことが分かると同時に、その先に学ぶべきことが現れる、そんな日々を送るうちに13年、社員としてお世話になりました。
学ぶことが多かったことと、一緒に働く方々や勉強に来る方と一緒に研究したりするのが楽しかったというのも長くお世話になった理由です。
中には、股関節の解剖を行いたいから、中国の医学部に留学してきた方などもおり、股関節の事、勉強するべき関連書籍なども色々教えていただくことが出来本当に充実した日々でした。
この頃から私の股関節の沼化が始まったと思います。
そうです、マニア、とははまっているというより沼にはまったと表現する方が適切な感じがします。
街を歩いていても、前を歩く人の股関節がどう動いているのか?
その人の股関節がどうだから、歩き方がどうなっているのか?
人と食事をしていても、その人の姿勢が気になる。
テレビを見ても、この女優さんきれいだけど股関節が・・・、と股関節ばかりが気になります。
そんな、日々は礒谷式力学療法本部を辞して、自分で開業してからも続いています。
本当に股関節が姿勢に与える影響、股関節がその人の動きに与える影響は計り知れません。
そして、殻の不思議なつながりなどは学べば学ぶほど奥深くて面白いのです。
これが、多分一生抜け出せない私の股関節沼なのです。