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変形性股関節症に貧乏ゆすり体操と膝抱え運動を比べてみると?

西荻窪駅から徒歩3分の股関節・骨盤矯正の整体・鴨下療法所です。【貧乏ゆすり】

 ここ数年貧乏ゆすりが変形性股関節症など股関節疾患や痛みに良いと聞くようになりました。

 そもそもこの貧乏ゆすり(=ジグリング)の発想の契機は、井上先生のHPによると「たまたま手術のミスで外転筋がうまくつかなかった時に劇的に変形性股関節症が改善していたから、それまでの筋肉を鍛える運動療法より筋肉を緩めることが大事だと気が付いた」からと言われています。
 
 そして、その理論的な部分をカナダのソルター博士の「負荷をかけない持続的な運動が軟骨を再生させる」という説からジグリングを発想されたそうです。
 
 しかし私はこのジグリングより「膝抱え運動」の方が効果は大きいと思います。



 
 その理由は・・・・

①股関節疾患において非常に重要な問題として礒谷式力学療法ではタイプ分けを考えます。
 O脚系で外転筋群が強すぎる人、X脚系で内転筋群が強すぎる人、またその左右脚の組み合わせです。
 そして、そのタイプにより骨盤に対してもきちんとしたアプローチが必要となると考えていますから、座り方もジグリングを行う場合はとても重要になります。


 例えば、↑写真のように骨盤が寝ている状態ではO脚系の方には良くありませんがX脚系の方には良い影響も期待できるのです。
 ですから、タイプ分けをすることにより、どの筋肉を一番に緩めるべきなのかという意識はこの運動だけではなく生活における動作すべてにわたる大きな問題なのです。

 また、座り方のきちんとした指導が無ければ↓写真の様に座る方もいらっしゃると思います。


 大腿部と脛との捻じれなども股関節周辺の筋肉に多大な影響を与えますから、膝の向きや足先の向きにまで気を配らないと逆効果になる事もあります。
 
 さらに股関節疾患の方は脚の脚長差があり骨盤にも左右差が生じていますから、かなり気を付けて座らないとどちらかのお尻に体重が余計にかかることになりますから、これも股関節に影響が出てしまいます。

 この脚長差は重心と密接な関係にあり、股関節疾患の方においては非常に重要な問題です。

 と言いますのは、体重の掛かり過ぎにより股関節に負担がかかっている場合が多いからです。(反対に体重がかからく手痛みが出る方もいらっしゃいます)

 ですから、例えば左脚が長く、体重が短い右脚にかかってしまい右股関節が痛む方の場合には、椅子に座る時に左脚を後ろに少し引いて左を見ながら座っていただくように細やかに指導いたしますが、そうすることにより座っている時の重心が左脚にかかり右股関節の負担を減らすことが出来るのです。
 
 ですから、私はジグリングをやっても効果の出る人と出ない人がいるというのはこうした注意により効果に差が差異が生じるのではないかとも思います。
 
②椅子に座っていると股関節には体重の負荷がかかってしまっていますし、脚を動かす筋肉は緊張させているわけですから関節にストレスがかかっていると思います。
 
 負荷をかけない運動が良いとソルター先生も言っているのですから、なぜ横になるという選択をしないのでしょう? 

 それに比べて、礒谷式の膝抱え運動は床に横になって行うために股関節への負荷は限りなくゼロに近い状態になります。
 そして腕の力で膝を胸にひきつけるようにして股関節をゆすりますから股関節に与えるスウィング運動も大きくなりますし、ジグリングでは揺するために脚の筋肉を使うのに対しこちらは腕の筋肉を使うので脚の筋肉全体が緩みます。(これはゆる運動などでもそうですが揺することに使っている筋肉自体は緩まらないのです)
 
 これは、緩める運動などでもそうなのですが私の太極拳の先生は柔軟的な運動や体を柔らかく使うメソッドなどでも、その柔らかさを担保していないものは使い道がない、という事を注意されていましたが、私もまったく同感です。(体を支えるためには脚力が強くなければ、穏当に軟かく体は使えないと思うからです)
 
 また、ひざ抱え運動では脚がずれない様に膝の上で紐結びをしていますから左右にずれる心配もなく、脚のどこにも緊張が無い状態で揺すりますからその効果は絶大です。
 さらに、脚長差から骨盤の高低差がある方の場合には膝抱えの時に膝をずらすことにより骨盤の水平を作り左右脚への負荷を調整することも行います。
 

③これはジグリングそのものの問題ではありませんが、ジグリングだけして杖の使用等により、とにかく脚に負担をかけない様にして軟骨の再生を待つという事ですが、その間に筋力が低下してしまうと、いくら股関節に軟骨が再生したとしても、そのあとに歩けなければ意味がありません。

 筋肉を緩める事はもちろん大切ですが、合わせて弱い筋肉を鍛える事も重要なので、関節に負担をかけない歩き方や体操等の指導も併せて行くべきと思います。

 歩き方において左右の足の運び方まで指導されたという患者様のお話はいまだかつてありませんが、重要なのは痛みなく歩けるコツで、それは股関節にどういう角度で負荷がかかると痛みが出るのか?という問題なのです。

 なぜならば、変形性股関節症の方などは股関節に負担をかけるような歩き方や生活習慣がその発症に大きくかかわっているのですから、その問題を取り除かなければいくらジグリングで緩めても良い効果と相殺されてしまうばかりではなく、緩めることにより可動域が広がったところで癖のある歩き方などしたら悪影響の方が大きくなる可能性すら懸念されます。 

 結論としては、うまくいっている方はいいのですが、うまくいかない方、もっといい方法を探している方には上記の理由により「膝抱え運動」をお勧めいたします。是非一度お試しください。 

 やり方はいたって簡単ですので、ぜひ下の動画をご覧いただきお試しください。

 
 貧乏ゆすりよりも効果的な体操を70年前に考案している礒谷式力学療法×CS60の整体院   
           杉並・西荻窪 鴨下療法所                
         杉並区松庵3‐35‐21   03-5938-7713

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