11/12 不思議な出会い (下)
ある日、その人から突然連絡が来た。
「また、必ず遊びましょう」、
そういった内容だった。
この事でのキッカケとなった友達に伝えると、
「すごい事だよ。普段はそんな事言わないよ。」、
そう言っていた。
私と共有した、たった一度きりの時間が、
その人にとっては、
非常に有意義な時間だったようだ。
素直に嬉しかった。
少しでもうつ病を忘れる時間を共有できた事が。
私もその人との時間は本当に楽しかった。
その連絡が無ければ、
私がうつ病を忘れさせてもらっていた時間、
救ってもらっただけになってしまっていた。
安心した。
その人も同じ気持ちを共有できていた事に。
次に遊ぶ約束をした。
今度はこちらから連絡をした。
誘うと、二つ返事で、
「いいですよ。遊びたいです」、
そう言ってくれた。
当日、遊ぶと共に、
その人の口から、
自分自身の事について、話をしてくれた。
色々な出来事、感じた事、
苦しかった事、悲しかった事。
色々だ。
そしてその人は、
「かもめさんの事、信用してるので」、
そう一言加えてくれた。
最後にLINEを交換して解散した。
「いつでも連絡してもらっていいからね」、
そう伝えた。
一連の出来事、普通といえば普通だ。
しかし、全てのタイミングが丁度よく噛み合い、
お互いの性格が丁度良く重なり、
何より、うつ病という共通点があった。
不思議で仕方ない。引き寄せてられている。
そう感じてしまう。
やっと最初に言っていた、
「何かできるかも」、のスタートラインに立てた。
そして、もう一つ。
私自身のことだ。
これまで私は人と接する時は、
戦略を立てて、嫌われない立ち回りのみを
考えて生きてきた。
うつ病になりそれはもうやめた。
素の何も飾らない自分で人と接しようと。
私は変わっていくと決めたのだ。
そう思って接した相手に、
「信用してるので」、と言ってもらえ、
付き合いも短いのに身の上話をしてくれた。
素の自分と接した相手に、
そう言われたことが無かった。
初めての経験だった。
嬉しさと同時に、言葉では表せらない感情が湧いた。
もちろん、嬉しいや喜びといったプラスの感情だ。
当初はその人の為しか考えていなかった。
結果としては、私自身が救われてしまった。
不思議でしょうがない。この出会いは何なんだろう。
感謝しかない。
ありがとう。
本当にありがとう。
今後もその人との関係は続いていく。
特別何かしようとは考えていない。
寄り添ってくれる存在、理解してくれる存在。
そうあり続けることが、
その人を助け続ける方法だと今は感じている。
これからの時間も、
とても嬉しくて、とても楽しみだ。
かもめ