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PTD ON STAGE 2021/10/24

ずっと楽しみにしていたコンサートが終わった。
BTSのオンラインコンサートを観るのは2回目だが、観ている最中から「過ぎていってしまう、終わってしまう」と思って寂しくなる。彼らと同じ瞬間を生きていると感じられることはあまりにも嬉しくて、その分過ぎていく時間は儚く切ない。美しい演出も、躍動感のあるカメラワークも、あまりに輝く皆も、全てに没入できること。遠く離れた場所であっても、画面越しでこのような経験が出来ること、現代の技術がもたらした恩恵を存分に受け取った。
収録を観るのでは決して感じることのできない感覚だ。パフォーマンスの完成度も、演者側の体力の面でも、収録だと都合の良いことは沢山あるだろう。それでもリアルタイムにこだわることは、舞台に立つ側・観る側両方に何にも替えられない緊張と高揚感、切なさをもたらす。
これは対面・非対面関係なく、「生」ってそういうことだ。「生」を届ける文化は、決して絶やしてはいけないと痛感した。


コンサートの曲目1つ1つについて詳しい感想は述べない。どれも最高にかっこよくて、かわいくて、楽しかった。感動して、泣いて、歌って、笑った時間だった。
少し言うとすれば、2021/06/13、14に行われたMUSTERでもパフォーマンスのあった、アルバム「BE」の曲たちが私は大好きだ。今回のコンサートでも「Blue & Grey」「Life goes on」「Telepathy」「Stay」「병」「Dynamite」が披露され、直前に歌詞の和訳を眺めていたのもあってとても嬉しかった。


正直、私はオンラインコンサートでの皆を観ているのが少し辛い時がある。私は彼らの姿を観ることが出来るのに、皆からは私たちの姿は見えない。私は彼らの声を聴くことが出来るのに、皆は私たちの声が聞こえない。歓声も何もない空間に向かって呼びかけ、歌わなければならない。目の前に広がるがらんとした会場と、沢山のカメラとスタッフさんたち、どれほどファンが叫んだところで絶対に声は届かないのだ。
どれほど虚しいだろう。リハーサルとの区別がつかないような本番の空間。舞台に生きる人たちだ。その空間のために積み重ねる練習、労力。自分でも失礼なことだとは分かっているが、すべてを想像してしまって辛い。

今回のコンサート、皆は全力で楽しもうとしているように見えた。全身を使って全力で。画面越しだからこそよりオーバーに、観ているファンに伝わるように。

最後のコメントは全訳してくださる方のスペースを聴いた程度だが、皆は「全力」を意識的に取り組んでいたようだった。ツアーが無くなったことによる体力の喪失、何度も諦めて自分が何者なのか分からなくなっていったこと、年齢的な焦り、本番直前にケガをしてしまった悔しさ。

そういったことを口にしている、どこか辛そうなメンバーたちの気持ちが痛いほど伝わってきて、言葉を選びながらも正直に伝えてくれた彼らに感謝した。皆の気持ちは皆にしか分からない。私が知れること、知っておけば良いことは、皆が話したことが全てなのだろう。

ここで「BE」の話に戻ってくるのだが、私が若干の辛さを感じてしまうオンラインコンサートでとても救われるのが「BE」の曲だ。そしてこの曲たちに彼らも救われていたらいいな、と思う。
鬱屈とした時代に作られた歌だ、誰もが変化を強いられ、会いたい人に会えない、やりたいことが出来ない、そういう時代にメンバー自身が作った曲たち。「会えなくなった人たち」が「会いたい人」へ送る曲、オンラインだからこそ歌詞の意味が響くと個人的に思う。

・止まってしまった世界で生きていく人々、過ぎてゆく時間(Life goes on)
・沢山できてしまった時間で、こんな歌を書いた、これは君へ向けた歌(Telepathy)
・忙しく過ごす日々で生まれた職業病と、笑顔のため、公演のために自分自身を励ます言葉(병)(仕事中に怪我をしてしまったテヒョンさんがこの歌を歌うのがなんとも…)
・一緒だよ、どこにいようと・We connect to 7G!(Stay)

「BE」の曲はどれも明るいようで明るくない。鬱々とした気持ちが込められている、それを音楽で昇華した彼ら。
今を生きる人にとって必要な言葉が沢山詰め込まれた、そんな曲たちだと思う。家で1人オンラインコンサートを観ていた私はどうしたってこの歌詞に救われるし、今の自分にこの曲たちがあって良かったと、心底思うのだ。

「オンラインだからこそ○○できた」という言葉はあまり好きじゃない。良いこと以上に辛いことがあまりにも多かったから。でも、「BE」の曲だけはオンラインで、一人ぼっちの家で、「聴けて良かった」と感じられる。そして切実でありながらも自らを励ますような曲たちが、今もBTSの救いになっていたらいいな、と歌詞大好きオタクは思った。


ところで今日のコンサート、最後のアンコールにて私の推しのジンくんが緑色のリボンを頭につけて登場した。Young foreverを歌う感動的なステージで突如として映ったあまりに可愛いジンくんの姿。泣きたいんだか笑いたいんだか、よくわからなくなって「ジンくん可愛い…」と1人呟いた。ジンくんによると「僕がプレゼント(追記:ではない)」らしい。控室にあったからつけてきた、と言っていた。なるほど(?)


さっきまでつらつら書いてきたように、私は色々と余計なことを考えながらコンサートを観ていた訳だが、ジンくんのリボン頭で全部吹っ飛んだ。そういう人だ、私の大好きな人。いつも予想の斜め上をいって、困惑させつつ誰もが笑顔になることをしてくる。考えすぎてしまう私を、ポカンと殴って冗談を言って笑わせてくれる人。

テヒョンさんの怪我もあったし、他にも何かとトラブルの多いコンサートだったのかもしれない。コンサート終了後のナムさん・テヒョンさんのweverse投稿は、本人たちのなんとも言えない気持ちをよく表していた。コメント時のジミンさんの悔しそうな表情。
でも、ジンくんの頭には緑色のリボンだ。あまりに似合っていて、本人の言う通り可愛い。それだけでどうしてこんなに癒されるのだろう。私はジンくんの掌の上で転がされているような気がしてならない。

ありがとうございます、ジンくん。


色々書いた。話があっちこっち飛んで読みにくい文章だろう。何より今めちゃくちゃ眠いし。それでも寝てしまう前に今日のことを書いておきたくて。

どの曲もパフォーマンスも最高だったな。今日もBTSのことが大好きだった。毎日聴いているBlue&Greyは泣いてしまった。素敵な人たちを好きになったもんだ。


踊ることに許可は要らない。音楽することに許可なんて必要ないのだ。出来るだけ多くの人が自分のしたい音楽を自由にできるように。この2年で生まれた諦めや疲れ、消えてしまった情熱、受け入れながらも飲み込まれないように。色々な不安を忘れて、対面でのコンサートを楽しめるように。祈ることしかできないが、ずっと祈っている。皆が一番生きていると感じられる場所で、どうか歌って踊って、泣いて、心の底から笑えますように。

歓声が直接届く日が、どうか無事にやってきますように。

最後に、毎日変わらない日常で、あなたたちに会える瞬間が一番幸せだと、こっちが言いたい。特別な人たち、いつもありがとう。



(画像はBTS公式Twitterより)

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