#76 ムカジーとなんとかライジングとなんとかビギニングと
ぐるぐるといろんな本読む。
・“This could be our future”はまだ前半だけどかなり良書
・文豪の全集シリーズで森鴎外だいたい読んだ。通しで読むと旧仮名時代から始まる文体の変遷っぷりがエグくてひとりの人が全部書いたとは思えない
・ムカジー「遺伝子」も読み終わり。ダーウィン、メンデルから始まってワトソン、クリックや優生学の歴史も経由して遺伝子治療などまで語る通史もの。ムカジーは同じく巨大な通史モノの「がん」を書いて、「自分にはもう語るべきものは何も残ってない」と思っていたが、「ベオウルフの悪魔がそうであるように、がんが正常な我々の異常なバージョンであるならば、正常バージョンについての物語もあるはずだ」と考えて本書「遺伝子」(The Gene)を書き始めたらしい。
つまり、「がん」がヒットした第1作だとすると、「遺伝子」はなんとかライジングとかなんとかビギニングとかのアメコミもの前日譚みたいな位置付けにあたるようだ。この考え方、いろんなものに適用できそうで面白いな。