#92 ブラッドベリと永遠の若さと
仕事が重くて疲れている。疲れてくると「キレイな文章が並んでいて、しかもすぐ読み終わる短編小説が読みたい」と思うときが多い。
レイ・ブラッドベリの短編を読んだ。「歓迎と別離」(Hail and Farewell)。
永遠の若さを生きる少年が見つけた、「自分にしかできない仕事」についての話。
ブラッドベリは表面的なプロットの裏側に含意とか寓意がある。前も書いた気がするけどお酒みたいだ。村上春樹の「もし僕らの言葉がウイスキーであったなら」をたまたま最近読んだのだけど、ブラッドベリの小説の言葉こそウイスキーなんじゃないか。口にしたときの味わいと、喉を通るときのヒリつきと、内臓に滲みていく滋味。
「わたしは毎日学校が退けるところを見るのが好き。学校の玄関ドアから花束を投げたみたいなのよ。」
“I like to watch school let out each day. It’s like someone threw a bunch of flowers out the school front doors.”