#68 Preppersと生きるに値する世界と
Mark O’Connellの”Notes from Apocalypse”を引き続き読み中。
世界が終わると信じてそれに備える人々を取材したノンフィクションだ。彼らはPreppers(準備している人)と呼ばれる。グーグルでpreppersで画像検索すると、ガスマスク、大量の缶詰、ナイフほかの武器、というだいたい3点セットで画像が出てくる。
本の終盤では、筆者が自らの子どもを見ながら「そもそも人間は子どもを生むに値するすばらしい世界を作っているのだろうか」と自問する。
自分ならこれになんと答えるだろう。実は、これって人間には公正な答えを出せない設問なんじゃないか。
なぜなら「あなたが勤務している会社はつぶれるべきだと思いますか」と聞いているのと同じだと思うからだ。客観的にはどんなにダメな会社でも、自分がもしそこに勤めていたら、そして仮に転職が非常に難しい状況にあるとしたら、つぶれるべき、とは答えないのではないか。
たとえばどこかの惑星に、環境をとても汚している知的生命体がいたとして、あなたたちは滅びるべきだと思いますかと聞く意味があるだろうか。
いま読んでる安宅和人の「イシューから始めよ」には、よいイシューの条件のひとつとして「答えが出せること」とある。当事者に聞いてもムダ、という問題が世の中にはあって、人類は滅びるべきか、と人類に聞くのはそのひとつかもしれない。