僕はイエローでホワイトで、ちょっとブルー

話題の本を読んでみた。

表紙のイラストとタイトルの雰囲気で漫画かと思っていたが、イギリス人の夫を持つ日本人女性が、「ハーフ」である息子が通う中学校での出来事を通してイギリスの階級社会や教育について記したエッセイであった。

以前、「イギリス毒舌日記」という、これまたイギリス人と結婚した日本人女性がカーライルという田舎町での暮らしを切れ味するどく書き綴ったブログを読んでいた時期があったのだが、両者に通じるところがあり興味深かった。

筆者はどうやら経済的に恵まれた家庭で育ったわけではないらしい。洞察力もあり知的だが、お上品な学校はそもそも肌に合わなかったのだろう。

しかし、いくら自宅から通いやすいとはいえ、名門大学入学者を多数輩出しているカトリック校へ入学する権利を捨てて、元底辺中学校を選ぶとは。私のような軟弱者にはできない選択だ。意地でも車の免許をとって子供をカトリック校に通わせてしまうような気がする。

それにしてもなんて冷静で思慮深い息子だろう。親の贔屓目もあってよい部分を書いているのだと思うが、これからの成長が楽しみになってしまった。


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