不登校の娘が決めた転校という選択肢
前回の記事の続き。オンライン家庭教師と通学のハイブリットを続けていた娘ですが、5月になってすぐに分岐点となることがありました。
まず、アメリカの高校なので、9月スタートで6月末に学年が終わります。
なので、私は、あとちょっとで学年が終わる!もう少し頑張れば、夏休みになる!という気持ちで5月を迎えました。
しかし、ある朝、娘は起きられなかった。
仕事や家事が滞っていたこともあったし、自分ひとりの時間が持ててなかったこともあり、とにかく起きてこない娘に、私はイライラしてしまった。
また遅刻。。
何とか起き上がって着替えた娘に対して、ムスッとした態度をしてしまった。
校舎の玄関口前まで車で送り、娘を降ろしたとき、いつもだったら校舎に入っていく娘を確認してから車を出すのに、その日は降ろした後にすぐ発車した。
家に戻ると、安全のためにスマホに入れてあるGPSアプリからお知らせが届いた。
" ○○ left school "
頭に???が浮かぶ。
さっき送っていった娘が、学校を出た??
GPSアプリを確認したところ、学校から歩いて駅の横を通り公園に向かっている。
すぐに電話をかけた。メッセージも送る。
「線路に飛び込みたかった。」
「起きれないの。ごめん。ママにずっと迷惑かけてる。」
そんな内容が返って来た。
私の返事は、
「公園のベンチに座って、まずはお弁当を食べなさい」
「おなかが空いてると全てネガティブに考えちゃうの」
「すぐに向かうね」
10分後、公園のベンチにいる娘を見つけた。
娘がお弁当を食べ終わるのを、横に座って待った。
今となっては、そこで何を話したのかは覚えてない。
でも、学校に行かなかったことを、責めることだけはしないでおこうと心に決めてた。
1時間後ぐらいかな。
今日はもう学校を休むことにした。
そして、一緒に歩いてタピオカを買いに行った。
翌日、学校に行けなかった。
起きたけど、着替えることができなかった。
娘に学校に行かなくていいから、とにかく話をしようと声をかけ、
リビングにある大きな窓の前に一緒に座った。
太陽の光を浴びないと暗い話を明るく話せないと思った。
初めて、娘が「転校したい」と言った。
それまで転校するにせよ、学校を休むにせよ、とにかく娘本人が決めるべきという話を伝えていた。
私が娘に転校したら?というのは簡単。
転校手続きを済ませて、娘を新しい学校に入学させるのも簡単。
だけど、娘が自分で決断しないと絶対にいけないと思っていた。
人間は記憶を改ざんする。
自殺をしたいと思うほど鬱状態の娘は、もし私が転校させた学校で上手くいかなければ、何もかも”ママのせいで”上手くいかなかったと、将来言うだろう。
なので、転校という選択肢もあることだけ伝えていた。
一緒に転校先になりうる学校も見に行っていた。
その日から娘の顔色が良くなった。
吹っ切れたんだろう。
大嫌いな学校に行くのもあと数週間で良いんだと思ったら、永遠に続くかと思った苦痛に終わりが見えたんだと思う。
転校を決めた日の翌日から6月末まで、何とか通うことができた。
宿題はしてなかったと思うが、何も言わなかった。
期末テストも受けることができた。
成績は、AからCに落ちた教科もあったが、もう気にしない。
今は、その転校先の私立高校に通っている。
楽しかった!と笑顔で言う日も多い。
新しい友達もできたし、クラブ活動にも参加できている。
以前の公立高校は進学校で有名で、名門大学に進む子も多いが、娘には合ってなかった。
今の私立高校は進学校とは全く言えないが、生徒と先生が仲が良く、自由な校風で、自分のペースで勉強できる。
娘にはピッタリ合ってる。
転校して良かった。
本人がそう言ってくれて、心底ほっとした。
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