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実験ラボをやります


劇作家・演出家の宮崎玲奈さん(同い歳!)とタッグを組んで、それぞれ思いっきり、やってみたいことをやってみられる機会を持つことにしました。
タイトルの通り、実験ラボです。


自分はふだん演劇作品をつくるときに、戯曲を起点としないことが多いです。
では何を基にするかといえば、出演者(創作関係者)の存在そのもので、また作る(舞台にのせる)のは物語ではなくできごとを志向しているのですが、これだけだとどうにも作品を作りあげるのにエンジンが足りない気がしていて、レールもあやふやに感じていて、この機会に、つよい指針を獲得する手がかりを掴みたいと思っています。


自分が演劇をみるとき、その時間が客席で見ている自分のものであることを奪われたくないと感じます。
作品は、つくったのは作者や演出家・俳優・スタッフですが、客席の自分のものでもあってほしいです。そのときにそれを妨げるのが、何かを“教えてくれる・分からせてくれる”演技や演出なのだと考えるようになりました。
見たいものは自分で拾いにいくから、考えたいものは勝手に考えるから、押し付けないでくれ、と思うようになりました。
そんな気持ちで演劇をみる人なんてごく少数かもしれないのですが、想像で結ぶ主導権を観客が握る作品を求めています。


そんな志向のなか、試しに今回、演じるとか物語とか以前の、リアリティとかリアルさそのものを排除した「真に“リアルでない”演劇」を目指して作ってみようと思います。
本番までそう日数は多くありませんが、なるべくその過程をnoteに残していきます。


「真にリアルでない」を言い換えるならば、「常にずっとありえない状態である」ということになるかもしれません。肉体を持つ人間が観客の前に立って上演する以上、それを完璧に実現することは不可能に思われます。
しかし、それだけがリアルならば、永久機関は存在しないけれど一見それに見える装置のように、ほかは「真にリアルでない」という事態に至ることはできるかもしれない。
そうなったとき、上演者も鑑賞者も生きた人間であるという事実が、際立って実感を結ぶかもしれない、と考えました。
私にとって、いまはその実感の獲得が演劇づくりの大きなモチベーションです。


果たしてそんなものを作ることができるのか、作ったところで面白いのか、実感を得られるのか、まだわかりませんが、それを試す実験ラボです。


加茂慶太郎



●日時・会場
2024年4月10日(水)

会場オープン:10:00〜21:30
上演:14:00/19:30
上演時間 2作品合計 約50分
[鑑賞チケット]受付開始は各上演の20分前

会場:STスポット
(横浜市西区北幸1-11-15横浜STビルB1)


●チケット
1日居放題チケット:¥2,000

会場オープン時間中、自由に出入りできるチケットです。
上演を2回観ることができます
前後におしゃべりもしましょう!
 
鑑賞チケット:¥1,000
上演を1回鑑賞できるチケットです

全席自由・当日精算(現金のみ)

[予約フォーム]
https://forms.gle/gKCs8hBCpfYhfe6J7



●プロフィール

宮崎玲奈
ムニ主宰 / 劇作家・演出家。1996年高知県生まれ。第11回せんがわ劇場演劇コンクールにて、『真昼森を抜ける』で演出家賞受賞。大学卒業制作の『須磨浦旅行譚』が令和元年度北海道戯曲賞最終候補。そのほかに『ことばにない』など。俳句、小説など他ジャンルの創作にも意欲的に取り組む。


加茂慶太郎
演劇作家。1996年生まれ。神奈川県川崎市出身、福岡県福岡市在住。自身含め人々が納得をもって生きること/生きられることを第一義とし、その手段として演劇をもちいる。2022年に演劇プロジェクト マルレーベルを始動。2023年より福岡県北九州市拠点の劇団ブルーエゴナクメンバー。