生き様 映画『SUNNY』
ギャルしか勝たん。
ギャルって良いですよね。
感情表現は素直。曲がったことは許さない。愛を持って指摘する。いつもつるんでいる仲間を大切にする。好きなことには一直線。
可愛いものは可愛いと言うし、ダサいものはダサいと言う。生き方がもう楽しそうの極み。
芯に人を大切にする気持ちがあるから、どれだけ口が悪かろうが良い人間関係に見えたのだろう。
ギャルにしかわからない、信頼関係みたいなものを感じる。
90年代後半のコギャル全盛期。街中にガングロやルーズソックスを履いた女子高生がいた。
もはや女子高生が世界を回してるんじゃね??っていうレベルで輝いている時代だったと思う。
当時幼かった私も、そんなギャルたちに、少々の恐怖感と興味を抱いたものだった。
『SUNNY』という映画を見た。
芹香の生き様
芹香の存在は大きい。まさにリーダー。
いつもつるんでいる仲間によく気が付く。気を配っている。
”外された”鰤谷さんにも、いけないことはいけないと、はっきりと伝える。
仲間のことが大好きという感情がよくわかる。
この人間性だから、人が集まるんだろうなぁ。
芹香が末期ガンにおかされ、「死ぬ前にみんなに会いたい」って。
そう願うことは、誰しもあるのかな。
今年の初めにガンで亡くなった、大学時代の仲間を思い出した。
彼女も懸命に生きた。
どんな人にも分け隔てなく、優しさに溢れる人だった。
みんなに会いたいという気持ちは、過去に繋がっていた仲間たちを再び集め、絆を深める力があるのかもしれない。卒業後あまり会う機会のなかった人と再会した。
ちょうど仕事もプライベートも悩みばかりで、気力を失いかけていた時だった。
わたしたちは彼女が懸命に生きたことで力をもらった。だから、わたしも”生きる”と、強く思った。
彼女のお通夜に参列したが、こんなにもたくさんの人に囲まれて、笑顔も混じった明るい雰囲気に驚いた。
お通夜が楽しい人。不謹慎かもしれないが、涙は出なかった。こんなにも穏やかな気持ちになったのは初めてだった。それは、彼女が懸命に生ききったことを、よくわかっていたからだと思う。
人が亡くなった時に残るものは、その人の地位や名誉よりも、最後は生き様だよ。この人がどんなに良いヤツだったのか、人間性が人の心に残り続けるのだ。
男子バレーボールの藤居選手にも同じようなことが言えると思う。
コート内ではチームメイト全員に声をかける。些細なことでもコミュニケーションを欠かせない。
仲間たちにあれだけの力を与える生き様だったのだろう。
芹香の通夜で踊る人たち
人が死ぬという悲しい話のはずなのに、爆笑しながら見た映画だった。
20年以上たってからも、学生時代の仲間と笑い合えるのっていいね。
仲間をつないだのは芹香の生き様。
お通夜のダンスに表れていた気がする。
いつの時代も思春期の悩みは変わらない
安室奈美恵をはじめ、平成初期の懐かしい音楽が盛りだくさんだった。
聞いているだけで胸が躍る。時代は違えど、楽しみ方は変わらぬもんだ。
幼いころにただ「楽しそう!」と思っていたギャルたちも、普通の思春期としての悩みを抱えていた。それは今と全く変わらない。悩みの出てき方が違うだけ。
今は見えにくい分、大人の気付きも、仲間のフォローも、難しいのかもしれない。
対比として、今の時代で感じる課題が浮き彫りになって見えた気がします。