見出し画像

日本ファンタジー小説の古典

読んだのはかなり昔ですが、未だに心が騒ぎます。
その一つとしてアニメーターでイラストレーターでもある出渕裕の何気なく行った(であろう)エルフの描写が、この作品の人気と相まって、後の日本のイラスト・アニメ・マンガ界における「エルフ」のイメージを決定づけることになる。つまり、それまではエルフを描写する際の選択肢の一つでしかなかった「ロバのような長い耳」をディードリットの耳の描写として採用したため、それ以降「エルフと言えば、長い耳」というイメージが定着してしまった。それほどの影響力があったという事でしょう(笑)

コンピューターゲームやアニメーションでも発表され、多くのメディアでファンに親しまれる作品となっている。また後に、同じフォーセリアを舞台にした数々の物語もグループSNEは展開している。結果として本作品は、国産ファンタジー作品として一定の成功を収め、またブームを一過性のものに終わらせず固定したファン層も確保し、その地位を不動のものにした。また、このジャンルの作品としてはほぼ初の(テーブルトークRPGを元にした作品としては間違いなく初の)大規模なメディアミックス展開を実施し、一定の成果を上げた作品ともなった。

主人公は騎士を目指す少年であり、その冒険が中心となって展開していきます。主人公は、その若さ故に無茶とも言える行動をしていますが、読者にきちんと納得がいくように丁寧に書かれていますし、むしろその行動を当然と思って読み進めていけます。
主人公の仲間も個性的かつしっかりと書かれており、標準的とも言える構成なのに、それを感じさせません。 主人公らの敵は、灰色の魔女と呼ばれる恐るべき魔法戦士であり、呪われた島と呼ばれる舞台そのものの戦乱です。
主人公らは浮いた理想ではなく、この大地に根を張る住人の1人として、戦乱と魔女に立ち向かっていきます。 嵐田がもう1人の主人公と認識する、騎士を目指す少年の仲間の盗賊。
光を浴びる少年と、その影に立つ盗賊。 行動を共にしながらも歩く道は違い、その対比が見事です。 物語に構成、登場人物から結末まで、どれを取っても絶品です。古典といわれて久しいと思いますが、名作はいつまで経っても名作で、ファンタジーの世界に興味が無くても、きっと楽しめる1冊だと思います。

なお、エーゲ海に実在するロードス島の英語表記は「Rhodes」であって関連性はない(笑)
#秋の本
#読書の秋
#読書

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?