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米国やドイツの株式市場が経済と連動しない件
ドイツでは、代表的な株価指数のDAX指数が1月に高値を更新した一方、GDP成長率の見通しの引き下げなど経済情勢への心配が増えています。アメリカでも、景気減速が予想されてもS&P500種株価指数が上昇してきました。どちらも市場を引っ張る大型株が国内経済とあまりリンクしていないからです。
まずドイツについて、ドイツのGDP成長率は2年連続のマイナスとなりそうで、エネルギー価格上昇、中国の需要低下による自動車など輸出の悪化と労働争議などが同国経済の重しになっています。
一方でDAX指数は2024年を通じて上昇、25年に入っても好調です。確かに自動車業界は不調ですが、防衛関連や再生エネルギー関連、世界的な売上が好調な業務システムの企業などが指数をけん引しています。
つまり、DAX指数では経済の重しに関連しない銘柄の比重が高く、指数が経済を代表していないようです。ここから欧州中央銀行(ECB)の利下げが進むことは短期的な好材料となるかもしれませんが、指数をリードする銘柄とドイツ経済の関連性が薄ければ、金融政策よりも銘柄ごとの利益動向が指数を動かすと考える必要があります。
同様に、米国経済はこれまでの高金利で不動産業界などが傷み、全体としても景気減速が予想されるにも関わらず、S&P500もやはり 24年から25年1月に入っても好調です。
これは指数のけん引役が人工知能やそれにかかわるソフトウエア、半導体関連などに集中しているからでしょう。こちらも政策動向よりも特定業種の収益動向に注意する必要がありそうです。
〔チーフ・ストラテジスト神山直樹のレポート等は下記URLからご覧いただけます〕
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