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賃金上昇率低下で市場に安心感

1月6日に発表されたアメリカの昨年12月の雇用統計で注目されたのは賃金上昇率の低下でした。

昨年中、前年同月比5パーセント超で推移していた賃金上昇率は、12月に同4.6パーセントに低下しました。コロナ禍前は3パーセント程度でしたのでまだ十分に落ち着いてはいませんが、雇用者数が増える一方の中で賃金上昇率は低下したので、発表当日の株式市場は上昇、長期金利は低下、ドル安になりました。

アメリカのインフレ率そのものは今年3月ごろにピークとなるとの見方が多いのですが、賃金上昇率の高止まりのために米連邦準備理事会(FRB)が政策金利の引き下げをためらい景気後退につながるとの悲観論が根強かったので、賃金上昇率の勢いがなくなるほど、景気後退を避けられるとの見方が強まります。

今回発表された雇用統計だけで今後も同じ傾向が続くと決めつけることはできません。まだ数カ月は、統計が示されるごとにマーケットは一喜一憂し、ぶれは大きいと見ています。

しかし、メインシナリオは、今回示された方向の通りに進むと見ています。つまり、しばらくぶれの大きい市場となるものの、3月以降、インフレの勢いが収まるだけでなく、賃金上昇率も勢いを失うことで、インフレ再燃リスクも抑えられて、FRBが9月以降に政策金利を引き下げ始めると予想しています。

FRBの政策決定担当者の示す予想金利は引き下げを示していませんが、いずれ変更されると見ています。今年後半に失業者がある程度増加するかもしれませんが、企業の賃金コストが低下して大幅な収益悪化を免れると見ています。

〔チーフ・ストラテジスト神山直樹のレポート等は下記URLからご覧いただけます〕
■KAMIYAMA Reports https://www.nikkoam.com/market/kamiyama-view/kamiyama-reports
■KAMIYAMA Seconds! ~90秒でマーケットニュースをズバリ解説 https://www.nikkoam.com/market/kamiyama-view/kamiyama-seconds
■「投資ってなんだ!?」 https://www.nikkoam.com/market/kamiyama-view/kamiyama-investment
■神山解説 https://www.nikkoam.com/products/etf/we-love-etf/#1:category:113 


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