「トランプ25%砲」 大統領の腹の内を探ってみる
米中の貿易摩擦について、中国の夏の政治の季節である北戴河会議に合わせて、トランプ政権が関税を10%から25%に引き上げるように指示したのではないかとの見方が示された新聞報道が出ていました。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO33845280W8A800C1000000/
私は、トランプ政権は11月の中間選挙に向けて日程を緻密に考え、優先しているとみています。わざわざ関税率を当初10%にしておいて、夏に合わせて25%に引き上げて驚かせた、ということではなく、中国国内の理由で人民元安になったので、10%では販売価格引き下げで関税を相殺されてしまう恐れがあるから引き上げた、ということだと思います。
逆にいえば、いまのところトランプ政権は、関税率の引き上げの理由を中国が不公正をただそうとしないことのせいにしていて、中国が人民元を意図的に引き下げて報復したとは言わないようにしているようです。これから選挙戦で使うためにとっておきにしているのかはわかりません。11月までまだまだ政治的にはいろいろあるでしょう。しかし長期投資家はアメリカの追加関税がどのくらいのGDPインパクトになるかに注目すべきです。8月末までにはもう少し明示されていくと思います。