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円安に違和感

このところドル円が145円程度の円安に進んでいますが、理由に納得感が薄いです。

まず、一番に挙げられる日銀の政策変更後の緩和姿勢継続について、今回の政策変更は、今後日本のインフレの定着の可能性が高まったので、まだそうなっていないものの、将来の対応を簡単にしておく趣旨でした。まだ金利を上げないという意味でハト派と解釈することはできますが、ポイントは、日銀は以前に比べて明らかにインフレの持続可能性が高まったと見ているところです。

この政策は海外投資家が思ったほど急激な金利引き上げへの政策変更ではなかったですが、日銀がインフレ持続の認識を強めたという点で、金利水準引き上げ方向であり円高要因と解釈すべきです。

一方、アメリカの物価統計で、インフレが持続する恐れが強まったことは確かにドル高要因です。ただし、賃金統計など詳細を見るとインフレの落ち着きは時間の問題と判断します。さらに、アメリカの国債と地銀債券の格付け引き下げは、アメリカへの投資の懸念となり、ドル売りの要因のはずです。

円安は日本経済の拡大を軽視しているように見えます。

今後、日銀の政策よりも、これからの政策を決めるインフレの持続性、それを支える日本の賃金の上昇に注目します。今年の年末のボーナスが日本企業の売り上げ増と人手不足で上昇するか、来年の春闘の交渉で昇給率がインフレ率より高くなるかが重要です。売り上げ増と賃金の上昇で良いインフレとなり、来年には金利の上昇と円高、株高が実現すると予想しています。

〔チーフ・ストラテジスト神山直樹のレポート等は下記URLからご覧いただけます〕
■KAMIYAMA Reports https://www.nikkoam.com/market/kamiyama-view/kamiyama-reports
■KAMIYAMA Seconds! ~90秒でマーケットニュースをズバリ解説 https://www.nikkoam.com/market/kamiyama-view/kamiyama-seconds
■「投資ってなんだ!?」 https://www.nikkoam.com/market/kamiyama-view/kamiyama-investment
■神山解説 https://www.nikkoam.com/products/etf/we-love-etf/#1:category:113 

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