香港情勢とマーケット

香港情勢について数多くのご質問をいただきます。まず、香港ドルがなくなるといったような金融市場から見てひどい状態にはならないと考えます。香港市場は銀行、不動産、貿易などが大きいので、デモ、交通マヒ、商店の閉鎖などは、もし長く続くことになれば経済に悪影響を与えます。しかし、香港ハンセン指数は、香港企業だけではなく中国本土の企業も含まれていることもあって、昨年10月の安値を割るような事態にはなっていません。 今後の政治的な方策や香港市民の対応については予想が難しいですが、中国本土の政府が直接対立を避けており、穏やかな解決の可能性が高いと見ています。 仮に香港の混乱が長期にわたったとしても、世界経済への影響は小さいと思います。ある程度の時間があれば、中国は国内の貿易拠点を強化できます。金融市場においてはせっかく香港が先進的なので中国としては香港ドルを含む金融の仕組みを失いたくないでしょう。 世界的に見ると、中国からの輸出品が香港経由であることが多いので、今以上に貿易に影響を与えることになると一時的に供給ショックが起こる可能性はあるのですが、そのような兆候は見当たりませんし、可能性は低いと見ています。 今後貿易に与える影響に注目しながら様子を見ていきますが、これまでのところ世界経済への影響は小さいと判断しています。


〔チーフ・ストラテジスト神山直樹のレポート等は下記URLからご覧いただけます〕

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