どうして神社に行くと運気が上がるの?人生を導く参拝のススメ
皆さんは、どんな時に神社に足を運びますか?
きっと多くの方が、真っ先に「初詣!」と答えることでしょう。
一年の始まりに、まずは神様へご挨拶をするという文化は、日本人の心に深く根付いた祈りの習慣です。
それから、年に一度の例大祭という大きなお祭りに足を運んでみたり、厄年には厄除けの御祈祷を受けたりする方もいらっしゃいますね。
また、お子さんのお宮参りや七五三などをはじめとする「人生儀礼」の折には、家族で神社にでかけて、神様への奉告と感謝の祈りを捧げるものだというイメージが浮かぶかもしれません。
このように、人生の節目や特別な祭祀がある時には、誰もが「神社に行かなきゃ!」と思い立つのではないでしょうか。
でも、神様に人生やくらしを導いていただきたいと思う方におすすめしたいのは、特別ではない日や何でもない日常の参拝。
なぜなら、姿形の見えない神様に祈ることは、自分の心を「鏡」に映して見る――“自身と向き合う”ということでもあるからです。
今回は、一体なぜ神社に行くといいのか、神社で祈ることの意味についてを、お伝えしたいと思います。
神社に「鏡」がある理由
「八百万の神々」という言葉があるように、神道の世界では「あらゆるものに神様が宿っている」と伝えられています。
その対象は山全体であったり、海そのものであったり、巨大な樹木や岩であったりと実にさまざま。
そして、その場所や物は「御神体(ごしんたい)=神様が宿る場所・物」と呼ばれていますが、中でも神社で見かけることの多い御神体のひとつが「鏡」です。
鏡は元々、古くから剣や勾玉とともに「三種の神器」のひとつとして日本の神話にも描かれ、日本の皇位継承の証となる重要な祭具としても受け継がれてきました。
「三種の神器」は、天皇の祖先にあたる「瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)」という神様が、高天原(たかまがはら)という天上から日本を治めるために天孫降臨(てんそんこうりん)をする際、日本の総氏神である太陽の女神「天照大御神(あまてらすおおみかみ)」様が授けたものだと言われています。
神様は具体的な姿形を持たず、その神霊は依り代(よりしろ)に宿るとされていますが、神社にある鏡もそのように神様の存在を示すものとして大切にお祀りされているのです。
神様はあなたの「心の鏡」
鏡の語源は「影見(かげみ)」とも言われ、昔の人は鏡の代わりに水に自分の姿を映す「水鏡(みずかがみ)」を使っていました。
そして「古事記」や「日本書紀」など、日本に伝わる神話の中でも、鏡は天照大御神様が「この鏡を私の御魂として奉り、それを視ることは私を視ることだと思いなさい」と伝えています。
また、一説に「鏡(かがみ)」という言葉は、中央の「我(が)」を取ると「神(かみ)」になるという話もあります。
まさしくそれは、私たちが鏡に向かって自分の心を映し出すように、神様と素直な気持ちで向かい合うことを示しているかのようですよね。
人生の中で、私たちはそれぞれに悩みを抱えたり、苦しみの中を歩いていかなくてはならないときがあります。
そんな時は誰かに相談しアドバイスをもらったり、悩みや想いを聞いてもらったりすることもあるでしょう。
でも、あなたのどんな想いも姿も、ありのままの姿を受け止めてくださるのが「神様」です。
あなたにとって心地よい神社を見つけたら、ぜひ「何かあるから出かける」だけに留まらず、「何気ない時にも足を運ぶ」ようにしてみてください。
淋しい時、哀しい時、悩んでいる時、苦しんでいる時。
もちろん、幸せな時、うれしい時、ワクワクしている時、素敵なことがあった時も。
心に持つドロドロとした醜い感情も、キラキラとした綺麗な想いも――神様と向かい合ってお話ししてみましょう。
きっと神様に包み隠さず胸の内を伝えるうち、自然に気持ちが整理され、自分の本心とも向き合うことができるはず。
あらゆる問いかけへの答えは、神様という鏡に向かって、自分の心を映し出すことによって自然と見えてくることでしょう。
神様からのメッセージを探してみましょう
「目に見えなくて、声も聞こえない神様に話をしても、答えがもらえるわけないじゃん」と思う方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。
あなたが自分の心と向き合いながら懸命に祈る姿も、神様はちゃんと見ていて、必要な気づきを「さまざまな形」で私たちに示してくださっているのだと思います。
解りやすい例で言えば、「おみくじ」などはその最たるものですね。
神様に何かアドバイスをいただきたいと思ったときは、おみくじを引いて、その中身をじっくり読んでみてください。
きっと、今のあなたに必要な何らかの「助言」が、その中に隠されていることでしょう。
その他にも、神社の境内にある自然や動物たちがそっと教えてくれるサインも、不思議な知らせのように心に届くことがあります。
突然吹いてきた風や、晴れていたのに急に降る雨、降っていた雨がふいに止むこと、空に虹を見かけること、虫や鳥などの動物たちが出迎えるように目の前に現れること……。
神社での「心地よい不思議な体験」は、あなたに何かを伝えてくれているのかもしれません。
神様からのメッセージに気が付けるかは、心がどれだけ神様に近づけているかどうかで決まります。
神社で神様という「己の鏡」に向かい合い、日々の感謝をお伝えし、語りかけたり祈りを捧げたりすることで、心は少しずつ磨かれていくはず。
そのためにも、日々の中でごく自然に「神社参拝」の習慣が作れると、素敵なことだと思います。
暑い夏の季節でも、早朝の神社は空気も澄んでいて杜の中を歩くだけでも気持ちがリセットされますから、日課のウォーキングコースに神社参拝を組み込むのもいいですね。
通勤のルートに神社があるという方は、出勤前にお詣りをしてから出社するのもおすすめ。
神様に「今日もがんばります!」と宣言をすることで気合が入り、前向きな気持ちになれることでしょう!
神社は人生に寄り添い、心を支える場所になる
神様も神社という場所も、あなたの心が近づいて「身近」になってゆくほどに、いつの間にか心を支えてくれている存在になります。
日々の中で思い立った時に神社に足を運んで、神様に向かって心で語らうようになると、人の心は「気が付く」ことが増えていきます。
きっと、自分が当たり前だと思っていたことの中にある幸せや、どんな苦境にあっても失わずにいたい心の姿――そういったものが、不思議と感じられるようになってくるはず。
すると、あらゆる人・物・事に感謝する心が自然に育まれ、いつの間にか運気も上がって人生が豊かになっていくことでしょう。
あなたも大好きな神社を見つけては、足繁く通い、心を込めて神様と向かい合ってみてくださいね!
文/巫女ライター・紺野うみ
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