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五穀豊穣と国家安泰の祈り…2月17日「祈年祭」を知ろう!

一般の方には、あまり耳なじみがない場合が多いかもしれませんが、毎年2月17日に行われている「祈年祭(きねんさい)」という神事があります。

この日は国民の祝日にあたりませんので、恐らく神社や神道に詳しい方でないと、知らないまま日常を過ごしていらっしゃるのではないかと思います。

しかし、この「祈年祭」は、毎年11月23日に行われる収穫感謝祭――「新嘗祭(にいなめさい)」と対をなす祭祀で、非常に重要な意味が込められているのです。

今回は、ぜひ皆様にも知っておいていただきたい、日本の暦の中に受け継がれてきた神様への祈りの神事についてご紹介したいと思います。


祈年祭に込められた意味とは?

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「きねんさい」と耳にすると、なんとなく「何かの記念のお祭りなのかな?」とイメージしてしまうかもしれませんが、漢字で書くと「祈年のお祭り」となっています。

この祭祀は「としごいのまつり」とも呼ばれるのですが、「とし」は稲の豊かな実りを、「こい」は乞い願うことを指しています。

つまり、いにしえから稲作を中心とした農業で発展した国である日本では、その年の五穀豊穣を神々に祈るこのお祭りは非常に大きな意味を持っていたわけです。

そのため、この「祈年祭」と対の関係性になっている「新嘗祭」では、その年の五穀豊穣を神々に奉告し、感謝の祈りを捧げているのですね。


恒例祭祀の中でも大きなお祭り

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この神事は、律令国家――すなわち「天皇陛下を中心とした国家」において、宮中や伊勢の神宮で恒例祭祀として受け継がれ、全国各地の神社でも大切に行われているお祭りのひとつ。

そしていつしか、その中で国の泰平を祈る意味も込められるようになり、「五穀豊穣」と「国家安泰」の願いを込めて、祈りを捧げる日となりました。

神社における祭祀は大・中・小と分類されるのですが、祈年祭や新嘗祭は「大祭」にあたり、中でも重要な神事であることが分かります。


祈年祭を通じて思い出したいこと

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私たちは神社に足を運んで祈るとき、どんなことを神様にお伝えしていますか?

多くの場合は、自分自身のことや家族や友人のこと、日々の悩みや喜びについてなど「身近に感じていること」についてお話しやお願い事をしていらっしゃるかもしれません。

もちろん、自分の人生を通じて生まれる願いや感謝についてを、神様にたくさんお話していただくことは素晴らしいことです。
その一つひとつを、八百万の神様たちは広い心であたたかく受け止めてくださり、必要なお導きやご縁を繋いでくださることもたくさんあります。

ただ、こういった祭祀について知ったときに、ほんの少しでも思い出しておきたいのは、自分が「大きな世界の中に育まれ、生かされていること」の有り難さかもしれません。


暮らすの世の中の安寧を想って……

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雨風をしのぎ安心して休める家があること。
安心して口にできる食べ物や飲み物に恵まれていること。
大切な人が元気な姿でそばにいてくれること。
会いたいときに会いたい人に会いに行けること。

これらは、日本の現代社会では当たり前のように思えることかもしれませんが、昨今のコロナ禍や自然災害、少し前の時代には日本でも戦争によってその「当たり前」が壊されてしまうこともあったわけです。

それどころか今も世界のどこかでは、私たちが受け取っているような「当たり前」が、どんなに願っても手の届かない国が存在しています。

それを思えば、私たちの暮らす国がいつまでも平和でありますように……という「国家安泰」の祈りも、自然から得られる食の実りが今年も豊かでありますように……という「五穀豊穣」の祈りも、本当は誰もが真剣に祈らなくてはならないことなのだと思わずにいられません。


神社のお祭りを知ろう

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祈年祭や新嘗祭などをはじめ、神道の世界では人々にとって「大きな祈り」を大切にする文化を、毎年「祭祀」という形で受け継いでいるということが分かります。

神社で行われるお祭りは、言うなれば「この世で生きるすべてのひとの共通した祈り」を、神様に向かって届ける意味があるのです。

一つひとつのお祭りに込められた意味を知ると、気が付けることや見えてくることはたくさんあります。
ぜひ、神社に足を運んだ際に、耳なじみのないお祭りの存在を知ったときは、そこにどんな意味があるのかを調べてみてください。

私たち「神様が宿るくらし」でも、そのような神社・神道に関するお話を、皆様に分かりやすくご紹介していけるように努めていきたいと思います。
今後の記事も、楽しみにしていてくださいね!


文/巫女ライター・紺野うみ


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