巫女になる方法は?資格や条件について解説します!
神社に足を運べば、境内や社務所の中に、巫女の姿を見かけることが多いことでしょう。
端的に表現するなら、神様のお社の中で祭祀を司り、神様の住まう神社を大切に維持管理し、神様に皆様の願いを届け、神様の手足となってご参拝の皆様をお迎えする――、それが巫女や神主たちのお役目です。
しかし外から見ているだけでは、彼らが日常どのようなことをしているかや、どういった人がその職に就けるのかなど……具体的には分からないものだと思います。
今回は、巫女として神様にご奉仕をしてみたいと思った方や、神社で働く人たちについて知りたいという方のために、その心構えや魅力、資格や条件などを解説していきましょう。
神社で働くということ
神社という特殊な環境においては、働くことを「奉職する」と表現します。
私も普段から「明日は巫女のお仕事がある」と言うのではなく、「明日は巫女のご奉仕がある」と口にしていますが、それは私たち巫女や神主などのお役目が「第一に神様にお仕えすること」だからです。
「奉職」とはまさしく、神様に「職を奉じる」「お仕えする」という想いから生まれた言葉なのでしょう。
私たちの暮らしを目には見えない世界から見守り支え、恵みやご加護、ご縁結びやお導きを与えてくださるのが神様という存在。
そんなありがたく大切な方々が宿る場所であり、そこに足を運んだ人々が、神様と心の繋がりを感じられる場所――それが「神社」です。
巫女の魅力とは?
巫女というのは、緋色の袴(緋袴=ひばかま)をはいて、神社のさまざまな社務を行う女性を言います。
人によっては、神社にいる人と言えば真っ先に巫女さんを思い浮かべることもあるくらい、神社の窓口や看板とも言える存在ですね。
実は私も数年前、神社に魅了されて巫女の世界に飛び込んだひとりです。
外から見て触れる神社も神秘的で素敵でしたが、もっと神様のお近くで自分にできる力を使ってご奉仕ができたら……と、そんな想いがあって始めたのが巫女でした。
実際に巫女装束をまとってご奉仕をしてみると、これまで参拝者として感じていたことだけではなく、神社のことや神様のこと――ひいては「神道」という文化について、さらに深く知るきっかけが生まれました。
なによりも、神様のお膝元で大好きな神社のためにご奉仕をする時間は、私にとって癒しのひとときです。
境内を眺めながら四季折々の自然を肌で感じ、忙しい日にも体は疲れたとしても、心は不思議と満たされて穏やかになれる気がします。
他の巫女さんも、「礼儀作法が身につく」「参拝者をおもてなしするのが楽しい」「神様のお近くで働けるのが幸せ」「神楽舞などの日本文化が学べる」「巫女装束に憧れていて着るのがうれしい」――このような魅力を、多くの方が話してくれます。
私自身も、巫女を始めてから自然に言葉遣いや仕草も丁寧になりましたし、日常生活でも精神的に穏やかに過ごせることが増えたのを実感しています。
巫女のお役目と必要な条件は?
特別な資格を持たなくてもなることができるのが巫女ですが、比較的若い年齢が条件として定められていることが多く、神社によっても募集の条件や人数、採用形態もさまざまです。
大きめの神社であれば、「本職巫女」と言って、いわゆる正社員のような形で採用される巫女も何人かいることもありますが、大抵は「助勤巫女」と言ってパートやアルバイトの形式でシフトが組まれるケースがほとんど。
年齢や働き方の幅が限られていることから、安定して長く働き続けることができるかと言えば、そうとは言えない現実があると思います。
しかし、巫女を経てからさらに神仕えに魅了されて、神職の資格を取得して女子神職になるという方も増えています。
神様への想いが強く、ご参拝の皆様のためにも丁寧にご奉仕できる方であれば、神社の中で奉仕を続けることも難しいことではありません。
巫女のお仕事内容は?
業務の内容としては、境内の掃除や授与品(御守りや御札、おみくじなど)の頒布、社務所の整理や片付けなど、神主さんたちの手が回らないような細かな社務を任されたりします。
神社の窓口役のような意味で、参拝者と最も身近に接するのは、巫女だと言えるかもしれません。
にこやかに皆様をお迎えして、さらにこの神社を好きになっていただけるように、心を込めてご奉仕できると素敵ですね。
また、祭式でも神主の補佐役(鈴振りの儀など)をしたり、神様に奉納する神楽舞を練習して、お祭りや神前結婚式などで奉納することもあります。
このような場に関われる際は、御神前の厳かな空気を感じながら、神秘的で非日常な幸せを得られるひとときです。
巫女の募集詳細と応募方法は?
毎年お正月を迎えるにあたって、新規で巫女の募集を行う神社が多いです。
お近くの神社や好きな神社のウェブサイトやSNSを確認したり、直接問い合わせていただくと、履歴書送付の案内や研修の案内などをいただけることもあります。
ほとんどの神社が、年末年始から2月3日の節分までの間にグッと人手を増やすので、秋頃から募集を呼びかけて、アルバイトの巫女さんのために研修なども行われるようになります。
短期でも巫女のご奉仕をしてみたい方は、気になる神社の募集をチェックしてみてくださいね!
ちなみにお正月の雰囲気は、神社の一年の中でもひときわ賑やかで、神社の非日常を体験できるチャンスです。
もちろん忙しい場面が多いですが、きっと素敵で貴重な経験になることでしょう。
神社を好きになっていただくために
神社の空間や参拝のひとときが心地よいものになれば、多くの人が神社に参拝してくださいます。
人々の信仰や祈りは、集まれば集まるほどそれが神様の御力(御神威)に変わり、その神社もさらなるパワーを秘めた素敵な場所になっていくもの。
そして神様の御力を素直に受け取って自分を磨いた人々が、それぞれの能力を世のために人のために活かしながら生きてゆけば、より素晴らしい世の中になってゆくことでしょう。
そんな世界を、神様もきっと望んでいらっしゃるはずですから、私たちはそのためにも、神社で心を込めてご奉仕をしていけたらと願っています。
神社での奉職に興味のある方は、ぜひいろいろと調べてみてくださいね!
文/巫女ライター・紺野うみ
※神主や巫女が監修・執筆を手掛ける、くらしに役立つ神道や神社の情報を届けるWebメディア「神様が宿るくらし」のコンセプトは、こちらの記事をご覧ください。
※よろしければ、「神様が宿るくらし」アカウント、マガジンのフォローで、応援をよろしくお願いいたします!
「神様の宿るくらし」は、心を込めて神様と向き合いながら、神社神道に関する情報を伝えていくことを使命としています! いただきましたご支援はすべて、そのための発信活動に役立ててまいります。心から御礼申し上げます。