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節分って何?季節のならわしと厄祓い・厄除けの話

季節は、二十四節季(=約2週間ごとにつけられた季節の名前)で言うところの「小寒(しょうかん)」半ば。最も寒いとされる、「寒」の入りを迎えています。

今年は記録的な大雪の影響で被害が出ている地域も多く、今まさに大変な想いをされている方もいらっしゃることでしょう。
さらに、感染症との戦いも、日本国内は何度目かのピークを迎えているところです。

冬は、いつか必ずやってくる春を待ちわびながら、厳しい状況を耐え抜く季節。
世の中全体を包み込んでいる、この「冬」もやがて過ぎ去り――穏やかな心で暮らせるときがやってくることを信じながら、日々の暮らしの中に希望を忘れずに生きていきましょう。

さて。もうすぐ2月がやってきますが、暦の上で2月3日は「節分」と言って、日本ではさまざまな行事が行われる大切な日です。
しかし、今年の2021年はなんと、124年ぶりに暦の数え方がずれる年……。つまり、2月2日が節分になっているんです!

そこで今回は、間もなく節分を迎える前に知っておきたい「節分」についての知識と、神社における「厄除け・厄祓い」についてご紹介したいと思います。


節分は「季節」の変わり目

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その文字からも想像できるように、節分はかつての日本で使われていた「旧暦」という暦の中で、とても大切な「季節の分かれ目」を示しています。

現代の暦では、もちろん新しい年の始まりと言えば、1月1日のお正月ですよね。
でも、私たち日本人が最も待ちわびていたのは、やはり厳しい「陰」の季節である冬を乗り越えて、あらゆる生き物が活発に動き始める「陽」の季節、春でした。

2月4日は「立春」と言って、春の始まり――すなわち新しい年の始まりであるとされています。
そして、2月3日はその前日ですから「冬」の最後の日、ある意味では「大晦日」のような日だと言えるでしょう。
(※2021年は2月2日がその日に当たります!)

そこで日本人は、大切な節目であるこの日に、冬の「陰気(いんき)」を祓ってよい運気を招くため、さまざまな行事を行っていました。


「鬼」を退治する――豆まき・柊鰯

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現代における「節分」でもっとも一般的な風習と言えば、「鬼は外、福は内」の掛け声でおなじみの豆まきなのではないでしょうか。
これは、新しい年(春)を迎えるにあたって、季節の変わり目にやってくる疫病などの原因と考えられていた「鬼」を追い払うことを目的としています。

今まさに、新型コロナウイルス感染症の脅威にさらされている私たちにとっては、どこか「昔の行事だ」などと言えないですよね。
今年こそ、心を込めて「魔」を祓い、春に向けて「福」を招きたいところです。

なぜ「豆」を撒くのかと言えば、これも主食のお米と同じように神様が宿り、鬼の目を目掛けて投げ付けることで鬼を退治できる「魔目」とも言われて大切にされていた「魔除け」のひとつだったから。
多くの神社でも、一年間の無病息災を祈って豆を撒く祭事が慣例となっています。

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また、鬼の苦手な焼いた「鰯(いわし)」の香りと、鬼の目を刺すという植物「柊(ひいらぎ)」を組み合わせた「柊鰯」という魔除けの最強アイテムを、門や軒下に吊り下げるという風習も生まれました。

これは「やいかがし」とも呼ばれるのですが、漢字にすると「焼い嗅がし」となり、由来が非常に分かりやすいですね。


「福」を呼び込む――恵方巻

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元は大阪発祥だったという「恵方巻」のしきたりは、1970年代あたりから急速に普及するようになった、比較的新しい文化です。
昨今では、節分が近くなると、スーパーやコンビニエンスストアでも「恵方巻」を見かけるようになりましたよね。

この行事は、節分の夜に新しい年の福がやってくるとされる、よい方向――「恵方」を向いて、一本の太巻き寿司を無言で丸かじりして食べきる、というもの。
成功させれば、その一年を無病息災で幸せに過ごせるとされ、受け継がれている文化のひとつです。

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こういったならわしを知るたびに「昔の人は面白いことを考えるものだな……」としみじみ思いますが、目に見えない世界を重んじたり、縁起の良いものに対する感性の鋭さが、日本人はひときわ強い民族なのかもしれません。

その年ごとに変化する「恵方」は、神道の世界でも大切な意味を持っています。
年神様がやってくる最もよい方角が「恵方」であり、干支で十二に分けられた方角が、一年ごとに順に巡ってきます。
鬼(悪いもの)を祓い、福(よいもの)を招く……この二つは節目を迎えるにあたって、表裏一体の関係なのですね。


「災難」を逃れる――厄祓い・厄除け

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さて、神社と言えば「厄祓い・厄除け」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?
日本には男性・女性それぞれに、一生の中でも特に「注意すべき年」だとか「慎重に行動すべき年」とされる、「厄年」というものが存在します。

神社に足を運ぶと、よく『本年の厄年』の一覧表を見かけますよね。
年齢(もしくは生まれ年)が該当する方は、神様の御加護によって災厄から身を守るため、厄祓い・厄除けの御祈祷(御祈願)を受けることが推奨されています。

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画像出典:東京都神社庁

厄年の年齢は、数え年で換算します。

数え年とは、新年を迎えるお正月に、全員で一斉に年齢を重ねるという数え方。つまり、誕生日前であれば満年齢に+2歳、誕生日後であれば満年齢に+1歳をすれば、あなたの「数え年」が分かります。

厄年(本厄)は、男性が25歳・42歳・61歳で、女性は19歳・33歳・37歳。その前後の年も「前厄」「後厄」と言われて、注意をするようにと伝えられてきました。

「厄年」と聞くと、どうしても「なにか嫌なことが起きそうで怖い!」という気持ちになりかねませんが、あまりに怖がりすぎるよりも「何事も慎重に行おう」と思うのが吉です。

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本来、厄年とは「役年」とも言われて、人の一生の中でも「大役」を授かるような社会的・家庭的・体力的に、特に節目となる年、転機となる年齢を指していました。
ある面では、年祝いなどと同じく「祝いの年」ともされていたのです。
そして、厄年から地域の神事に関わることも増えていくため、病気や怪我にも気を付けて、心身を清浄に言動を慎むように……といった意味も含まれていたのですね。

誰もが通る「人生の通過儀礼」のひとつとして、厄年には神社に足を運び、その心身を神様に浄めていただくようにしましょう。
厄年には、「新しい年」の始めであるお正月から節分あたりの期間に、厄祓い・厄除けを受ける方が多いのですが、ご自身が年齢を重ねられるお誕生日など、よいお日柄を選んで御祈祷を受けられるのでも構いません。


節分をきっかけに気持ちをリセットしましょう!

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このように日本の国には「節分」というひとつの節目にも、悪いものを打ち祓ってよいものを招く「厄除開運」や「除災招福」を意識したさまざまなならわしが、今なお受け継がれています。

特に、私たち『神様が宿るくらし』では、人生の中や日々のくらしの中で「神様を感じながら生きてゆく」ことを皆様に大切にしていただきたいと願い、コンテンツをお届けしています。

今なお「当たり前」のように残っている季節の行事一つひとつにも、知れば知るほど深い「目に見えない世界」との繋がりを感じられる瞬間が見つけ出せることでしょう。

今年、厄年を迎えて不安な気持ちになっていた方も、ぜひ神様を信頼して前向きに進んでみてください!
「春」を迎えるにあたり神様の御力で心身を浄めていただければ、「厄年」の一年もきっと、大切な意味を持つ「役年」として清々しい気持ちで過ごせるはずですよ。


文/巫女ライター・紺野うみ


※神主や巫女が監修・執筆を手掛ける、くらしに役立つ神道や神社の情報を届けるWebメディア「神様が宿るくらし」のコンセプトは、こちらの記事をご覧ください。

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