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そもそも骨盤が歪むってどういうこと?その影響とは??~歪みの正体を徹底解説~

ある意味、私は歪んだ性格をしているかもしれない。

皆がしてることと違うことをしたい!という衝動にも近い強い感情を抑えることができない。

そして、いつも自分に言い聞かせている。

考え方や行動が普通になっていないか?

常識を理由にしていないか?

平凡ではなく非凡であれ!

いや、待てよ。

これは歪んでいるのではなく、人とは違った形の芯がブレずにあるだけだ!ということにしておこう。

さて、私の性格の歪みの話しは脇に置いておき、今回は骨盤の歪みの話しをしていく。

性格は歪んでいなくても、あなたの骨盤は歪んでいる可能性は大いにある。

だが、そもそも“歪んでいる”とは何を意味するのだろうか?

“歪み”を定義する|変形ではない


「あたし骨盤が歪んでいるんです!」

うちに来る初めてのお客様からも、飲み会の席で一緒になった女子からも、こう持ち掛けられることはよくある。

では“歪む”とは何を意味しているのか?

まずここで除外しなければいけないのが、骨が変形している場合だ。

一般的に歪みと言った時には、骨自体の形が変化するほどのものではない。

美容業界が扱える歪みの定義は、関節がある一定の方向で固定された状態のことを指す。

ではここで骨盤に話しを戻そう。

実は骨盤とは、3つの骨からなる複合体である。

詳しい解剖学は省略するが、3つの骨からなる骨盤はそれぞれで関節を作り、あらゆる動きに対して3Dに動いていると覚えておこう。

(動きと言っても股関節や肩関節のように大きな範囲ではなく、非常に微妙な動きである)

例えば、左重心の時の骨盤内の関節の向きと右重心の時の骨盤内の関節の向きでは、その方向が真逆になる。

ここまでくれば骨盤が歪むとはどういった状態なのか理解できるはず。

つまり、骨盤内の関節が左重心、あるいは右重心のどちらかの向きで固定されてしまった状態のことを“歪んだ”と表すのだ。

ちなみに歪みというと左右差のイメージが強いが、左右両方の骨盤が同程度開いたまま固定されるパターンもある。(いわゆる骨盤が開いた状態)

こちらも歪みといって差し支えはないように思われる。

では、こうした歪んだ骨盤を持つ人には、いったいこの先に人生にどのような悪影響があるのだろうか?

歪みが及ぼす悪影響を検討

あなたがまず気にするのは、おそらく見た目の問題ではないだろうか。

だが骨盤の歪みを外見から判断するのはプロでも難しい。

したがって、骨盤がズレているくらいで、あなたの見た目の評価が悪く見積もられることはおそらくない。

しかし、骨盤が歪んでいる(ズレと開き)人が、骨盤だけの問題で収まっていることはほぼないと断言できる。

つまり、股関節、肋骨、肩、顔面などの骨格にもその影響が波及しているのだ。

結果的に左右差がひどい場合は、くびれ、バストトップ、肩の高さの左右差、あるいは顔面の歪みを引き起こす可能性がある。

また、開きがひどい場合は、下腹ポッコリ、前もも肥大、ヒップダウン、二重あごなどの問題を持つことが考えられる。

体重を減らしただけでは解消できない問題が多いのに気が付いたはずだ。

骨盤が歪むことで考えられる問題の2つ目は、コリや痛み、怪我に繋がりやすいことである。

先ほど歪みとは、関節がある一定方向で固定された状態だと説明したのを思い出してもらいたい。

これはある一定の方向には動きやすくて、その逆方向には動きにくいことを意味する。

すると私たちに身体は、無意識のうちに動きやすい方向の動作を頻繁に使いやすく学習される。

これが悪い癖として定着した場合、どこか特定の部位に物理的ストレスがかかり続けることになるのは想像に難くない。

肩首であれば肩こり、首こり。

腰であれば腰痛、ぎっくり腰。

膝であれば膝関節痛、将来的には変形性膝関節症に発展するかもしれない。

その他にも、体幹のインナーマッスルの機能低下による不良姿勢、内臓下垂、代謝率の低下や呼吸パターンの異常なども考えられる。

もちろんこれらのすべての原因が骨盤の歪みであると言っているわけではない。(そもそも身体のあらゆる問題の原因をたった一つに還元することは不可能だし、無意味だ)

だが、歪みがもたらす負の影響は、様々な範囲にまで及んでいるし、なかなかに根深い問題であることがおわかりいただけたはずだ。

ところで、なぜ私たちの骨盤はこんなにも歪むのだろうか?

左右対称 VS 左右非対称

よくよく考えてみれば、私たちの体の構造と機能は左右非対称的だ。

左右の肺の大きさは違うし、心臓は左よりで肝臓は右よりにある。(身体を真っ二つに割ると右半身の方が重い)

血管や神経の配置も左右で同じではないし、横隔膜は歪みに対して奇妙な影響を及ぼしている。

(横隔膜の奇妙な機能については非常に重要だが、複雑なので今回の内容では触れないでおく)

脳だって右脳と左脳で役割が分かれているのを知ってるだろう。

(私は理論的だから“左脳派”だけど、あなたは直観で動くから“右脳派”ね!)

約9割の人が右利きで、残りの1割は左利きだ。

(世界のどの土地に行っても一定数の左利きが存在する理由は詳しくはわかっていないそうだ)

だが一方で、私たちは左右対称的な見た目をしている人を本能レベルで好むらしい。

左右対称的な見た目は、先天的に遺伝上の欠陥がない証拠だし、他人に安心感も与える。

さらに女性の場合、妊娠可能な排卵日周辺では、妊娠不可能な月経中に比べて顔の作りが左右対称的になる。

これにはエストロゲンというホルモンが関与している。

結論からすると私たちの人体は、全体的には左右対称的な構造物の中に、左右非対称的な局所的構造物が、左右非対称的に配置されるよう進化してきたと言える。

そして、筋骨格系を介した動きに関する機能は、左右対称的な方が望ましいのだろう。

(ほとんどの動物のが左右対称的な見た目をしているのだから、このことは進化の制約と言える)

歪みの真の原因|バリエーションの無いライフスタイル

ではそろそろ、現代人がなぜこんなにも歪むのか?という疑問について解説していきたいのだが、1つ問題がある。

ここでは、原始人が現代人よりも歪んでいなかったという前提に立っているが、これを証明することはほぼ不可能なのだ。

だからこの真偽には目をつぶって議論を進めていこうと思う。

まずはもう一度、“歪み”の定義を思い出してもらいたい。

歪みとは関節がある一定方向で固定された状態を指している。

では、なぜある方向だけで固定されてしまうのだろうか?

この答えはいたってシンプル。

日々の生活の中で、動きのバリエーションが少ないからだ!

アンバランスに偏った特定の狭い範囲しかない動きを、ルーティンワークのように毎日毎日繰り返してはいないだろうか。

その結果、歪むのである。

ちなみに、こういった現代人のライフスタイルは、右脳の活性化を妨げるので、その結果歪みが生じるという見解もある。

どちらにしても、原因は同じだ。

動きのバリエーションの減少が、私たちの骨を歪んだ状態で定着させるのだ。

まとめ|明日からどうする?

とはいえ、私たちの祖先が毎日していたように、木を登ったり、川を泳いだり、穴を掘ったり、動物を追いかけたり、あるいは逃げたりする生活を、明日から実践するのは現実的ではないだろう。

しかしできることはあるはずだ。

エスカレーターではなく階段を使う。

鞄を持つ手を、行きは右手、帰りは左手にしたり、コーヒーは左側に置くようにする。

掃除をするときは横着せず、しっかり物を持ち上げて掃除機をかけたり、中腰にかがんで奥の方のゴミをかき出そう。(部屋が隅々まできれいになるし、動きのバリエーションが増えて一石二鳥ではないか!)

週末はなるべくアウトドアなこと(ボルダリング、登山、アスレチック)をするか、子どもと公園でサッカーをしてもいいだろう。(子どもとの絆は深まるし、動きのバリエーションも増えて一石二鳥ではないか!!)

また、あえて時間をとってエクササイズをする時は、あらゆる体勢で行えるメニューを考えよう。

「うつ伏せと仰向けと横向きはやったぞ。

次は、四つ這い、膝立ち、スクワットスタンスだな。

おっと、片足立ちを忘れていた!」

こんな感じで。

もちろん専門家に、自分の骨盤の歪み方を検査してもらって、それに対する改善法を指導してもらうことも大切なことである。

私も現場では実際にそうしているが、ブログという一方通行のやり取りではそれができないのが残念だ。

とにもかくにも、読者の皆様には人体の魅力的な複雑性を探求しながら自分の身体と向き合ってもらいたいと願ってやまない。

このコラムを書いた神尾健太という人物➤https://wp.me/P9oEaZ-41

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