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去稚心(稚心を去る。)
幕末には一角の人物が輩出した様です。
南方熊楠や、この「去稚心(稚心を去る。)」と15歳の時に言い放った人物もそうです。
俯瞰的に判断でき、地政学的思考も出来た、幕末における知の巨人です。
残念ながら主君の命を守って、安政の大獄で命を落としてしまいました。
あの安政の大獄さえなければ徳川幕府は生きながらえ、明治維新はなかったかもしれないといえる程、幕府の地盤沈下と人材の枯渇が生じたくらい甚だしかったと言われています。
幕府を滅亡させたのは、古い朱子学に拘泥した井伊直弼だったのかもしれません。
去稚心(稚心を去る。) :
目先の遊びなどの楽しいことや怠惰な心や親への甘えは、学問の上達を妨げ、武士としての気概をもてないので、捨て去るべき。
実にすごい事ではないでしょうか。若干15歳にして、これを言い切れる。
翻って、私たち一人一人はどうでしょう。
目先に囚われて時間を無駄にしたり、暇つぶしなんて言葉使っていないでしょうか?
彼の言う「武士の気概」とはなんだったのでしょうか。
明治維新は日本にとって果たして良かったのか。
実は私は疑問を持っています。
徳川幕藩体制が限界を迎えていたのは事実でしょう。
ただ緩やかな連合体ならではの対処法もあったかもしれないのです。
橋本左内の主君が目指していた「雄藩連合」。
これが成立していたら、禅譲による政権交代があったかもしれません。
そんな事も考えさせる凄い人物を、井伊直弼は殺してしまった。
私が朱子学を嫌うのは、こう言う点なのです。
共産主義や原理主義に通じる何かを感じるのです。
論語をはじめとする四書五経を否定はしません。
しかしながら朱子学だけは、私は関わりたくないと思います。
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