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カミの年末年始 ー 紙と神に触れる ー

本日は、「カミの年末年始」と題して、紙と神のつながりについてお話をしたいと思います。

紙と神様のつながりは古く、特に年末は年神様をお迎えする準備のために、紙の出番が多くなります。
現在でも残る正月の飾り物は、年神様(豊作をもたらす神様とも、家を守り幸せをもたらす神様ともいわれている)をお迎えするためのもの。
毎年、依代となる松を和紙を手ずから折り、神人共食のため、丸箸を和紙で丁寧に包みます。

餅つきをしてつくった鏡餅に和紙の紙垂を添えて

鏡餅の由来は、
・「鏡」は「鑑みる かんがみる」良い手本や規範に照らして考えるという意味の言葉にあやかって、「かんがみもち」と呼ぶ音が変化したもの。
・丸い餅は人の心や魂そのもの、それを写すこと。 
と、和菓子職人さんから教えていただきました。鏡餅をつくりながら、あらためて身の引き締まる思いがします。

大幣(おおぬさ)

2024年最後の日は、川越氷川神社の「師走大祓(※1)」に参列しました。修祓に使う紙で作られた道具、大幣(おおぬさ)が風になびく姿は美しく、紙のこすれあう音ともに、心身の穢れを祓っていただきました。
最後には紙の形代(かたしろ)に汚れをうつし、境内の小川に流しました。

形代(かたしろ)

神事も終わりに差し掛かる頃、風が吹き始めました。
木々がすりあう音や鳥たちの鳴き声が辺りに響き渡り、まるで神の訪れを待っているかのようでした。
静寂の中で五感を研ぎ澄まし、目に見えないものに触れるような、、、特別な時間となりました。

おかげさまで、無事に迎えた新年に感謝しつつ、本年もカミの気配を感じられるよう、カミと共に、丁寧に日々を重ねていきたいと思います。



※1 師走大祓は、日々の生活で積もった心身の穢れを祓い、新年を清々しい気持ちで迎えるための神事です。

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