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横浜市長山中竹春氏への質問書

質 問 書

横浜市長
山中 竹春 殿    

令和 4年 5月 13日
 上瀬谷の未来を考えよう会 有志

市長陳情に併せて、以下の質問をいたします。
回答は書面をもって、2週間以内にお願いいたします。

1 海軍道路の桜並木伐採について

(1)本年3月18日横浜市会で川口ひろ市議が「海軍道路桜並木は薬が打たれ本来の姿ではない。樹齢50年をとうに超えており植え替えていくしかないのでは?」との質疑があり、市長は「桜並木は老朽化が進み再生が必要」と回答しました。
市の資料・HPを閲覧し、瀬谷土木事務所と都市整備局上瀬谷整備推進課に問い合わせたところ、下記の確認がとれました。

・市会での質疑応答を鵜呑みに報道がされた伐採予定の桜は植樹39-40年
・樹木医が毎年診断し、危険木はその年度内に順次伐採している。
・管理は枝払い・殺虫剤打込みのみ。施肥等の樹木への養生は行われず
・今回の計画では、桜の健全度にかかわらず伐採する。

瀬谷土木事務所・都市整備局上瀬谷整備推進課に問い合わせた結果

市長と川口市議は市会で誤った発言をしたことを謝罪し、撤回しますか?

(2)川口ひろ市議への回答として市長は「地域の貴重な財産で再生が必要」と発言しました。市内の他地域(大岡川プロムナード等)でも行われているように現存の桜並木の養生保全をする形で上瀬谷の桜並木の『再生』をしていく計画の検討は行われたのか回答を求めます。

(3)都市整備局・国際園芸博覧会推進課に問い合わせたところ「桜の老朽化が伐採の理由ではなく、横浜国際園芸博覧会(以下 横浜花博)のための区画整理として道路を拡幅するために伐採が必要となった」との回答でした。
市長は何を理由に桜並木の伐採が必要になったと認識していますか?

(4)都市整備局・国際園芸博覧会推進課が言う通り「道路拡幅のための伐採」であるなら、鎌倉若宮大路の「段葛」や仙台の「定禅寺通りけやき並木」のように、並木の間を歩道にし、片側2車線道路・自転車専用通行帯を含め、現在の拡幅計画の『幅員31m』で実現可能との指摘もあります。
このような検討を行った上で、伐採やむなしとの結論に至ったのか回答を求めます。


2 上瀬谷の自然について

(1)横浜市は上瀬谷通信施設跡地の開発計画を『上瀬谷のポテンシャルを最大限に生かした土地利用の検討』の結果と説明しています。
「谷戸(丘陵地が浸食されて形成された谷状の地形)のまち横浜」と市のHPにも説明があるように、上瀬谷にも大谷戸があり水田など営農に古来より利用されています。しかしながら、この大谷戸を形成する相沢川、そして大門川は切り回し(川の流れを変え)、暗渠(蓋をかける)にされ、このため水田に水が引き込めなくなり、水田は埋められる計画です。
 上瀬谷通信施設跡地は川・樹林・湿地・草原・営農地等により形成され、希少種を含む多種多様な生態が確認されています。日本古来からの暮らしが息づく素晴らしい場所ですが、この全ての場所は盛土切土されることから、地形は全改変され景色は一変する計画です。
これは横浜市が考える上瀬谷のポテンシャルを最大限に生かした計画ですか?

(2)[平成 29 年 12 月旧上瀬谷通信施設における国際園芸博覧会基本構想(素案)]にある『開催意義』に下記(抜粋)とあります。

「我が国が古来より培ってきた自然と共生するライフスタイルや風土に支えられた文化(中略)を世界に向けて発信」

[国際園芸博覧会基本構想(素案)]『開催意義』より

土地を全改変でならし、コンクリート擁壁で固めて、半年だけ花を咲かせることが『我が国の文化』だと横浜市は考えているのですか?


3 土壌汚染について

(1-1)上瀬谷通信施設跡地を歩くと先日まではなかった杭やロープが設置された場所があり、南関東防衛局に問い合わせたところ「土壌汚染対策法により設置した」との回答でした。
南関東防衛局の入札記録では「上瀬谷(3)土壌調査 令和03年10月15日-令和04年03月15日」とあります。本年3月まで防衛省の汚染調査は行われていたのですか?
(1-2)横浜市のHPで最新の状況をわかりやすく随時公開することを求めます。

(2-1)旧上瀬谷通信施設地区土地区画整理事業の環境影響評価審査会の資料の中で示された防衛省の調査報告では、2017年に土壌調査(汚染56区画)と2021年に追加土壌調査(汚染10区画)をし、国有地だけで計66か所から鉛・ヒ素・フッ素等の基準値を超える汚染がありました。また詳細は公表されていませんが民有地20区画にも汚染があったことも報告されています。この報告は跡地内全域といえる広範囲に基準値を大幅に超えた土壌汚染があることを示しています。

 2005年3月25日 環境省・国内における毒ガス弾等に関する総合調査検討会(第12回)の資料5[B/C事案に関する評価結果について【神奈川県】20横浜市]には、上瀬谷通信施設跡地は戦時中の海軍施設であった時に火薬庫・覆土式の特薬庫・爆弾庫が存在し、米軍資料には終戦時に旧日本軍の毒ガス弾8,852本が保管されていたことが記載されています。
また、その戦後の処理について以下のとおり記載されています。

・米政府の回答「あまりに古い話で記録が発見できなかった」
・専門家の答弁「米軍が海洋投棄したと推測される」
・国の回答「旧日本軍の武器の処理は連合軍が行い、日本政府は処分された武器の追跡調査をしていない」

環境省・国内における毒ガス弾等に関する総合調査検討会(第12回)の資料より

専門家の「推測」を信じ追跡調査が行われていない状態で開発を行い、土地区画整理事業者・公園整理事業者・地域住民に被害が生じては遅すぎます。

 [2022年3月 旧上瀬谷通信施設地区土地区画整理事業 環境影響評価書]には「切土量は約2,816,000㎥、盛土量は約2,104,000㎥、残土量は約712,000㎥です。」とあります。熱海伊豆山土石流災害では崩壊部だけで5万4千㎥以上の人工的な盛土が流出したとされており、土地区画整理事業だけで区画外へ搬出される可能性のある約71万㎥の残土は大変な量であることがわかります。
 上瀬谷通信施設跡地の全域で汚染調査を行わないのでは、区画外搬出残土だけでなく、盛土として区画内で再利用される約210万㎥の発生土も併せて、汚染土壌が混入している可能性を否定できません。
 防衛省が汚染のおそれが少ないと判断し調査していない区域も含め、全域調査を行う予定はありますか?

(2-2)防衛省がしないのであれば、横浜市の責任で行う計画はありますか?
(2-3)また、仮に全域の汚染調査を行わない場合、公園整備事業も併せて上瀬谷通信施設跡地から発生する残土の受け入れ側に「汚染土壌の可能性があること」を必ず告知する必要があるという考えはありますか?

(3)防衛省の調査は2017年(汚染56区画報告)に行われたにも拘らず、2020年9月の方法書諮問における環境影響評価審査会の資料には「方法書(2020年7月21日公告)作成時には、防衛省で実施している土壌汚染調査結果について報告を受けていなかった」との記載があります。これほど防衛省から横浜市への報告が遅れた経緯の詳細な説明を求めます。

(4-1)2020年5月28日環境省は有機フッ素化合物PFOSとPFOAを人の健康の保護に関する要監視項目に位置づけ、暫定水質基準値を定めました。
 現在の防衛省の調査ではフッ素の総量しかわからず、どのような形態で存在するかは不明です。水質汚染を確認してからでは遅いので、土壌汚染でのフッ素の形態を分析した結果があれば公表してください。
(4-2)フッ素の形態分析が行われていなければ、汚染が拡散し水質汚染が起きる前に、早急に分析を実施することが必要ではありませんか?

(5-1)土壌汚染対策法では自治体が実施主体となっており、本年3月2日市会予算特別委員会で都市整備局上瀬谷整備推進部長は「市が土壌汚染対策を行い、国に負担を求める形で調整している」と答弁しています。市が主体となって汚染土壌の掘削除去による回復作業を行うということでしょうか?
(5-2)2020年9月環境影響評価審査会の資料には「国が適切な対策をした後、市へ譲渡いただくよう、国へ要望を行っています」とありますが、どういった経緯で実施主体が国か市かが決定されましたか?
(5-3)上瀬谷通信施設跡地における土壌回復の責任は国と市どちらにありますか?

(6-1)2022年3月[旧上瀬谷通信施設地区土地区画整理事業 環境影響評価書]には、土壌回復時期が示されていません。土壌回復方法と回復完了期限の回答を求めます。
(6-2)同書には、土壌回復方法を「掘削除去を前提条件」としながら「原位置封じ込めによる対策」も行われる可能性を含めた記載がされています。
 掘削除去以外の方式で行われた場合、そこに健康被害を起こす物質が存在しつづけることになります。地元住民の理解は得られていますか?
(6-3)土壌回復方法が掘削除去であれば、16,000㎥(1日運搬車9台で300日分)もの汚染土壌の搬出先・処理方法の詳細も併せて回答を求めます。


4 交通インフラについて

(1-1)新交通システム「上瀬谷ライン」構想は、山中市長就任後、唐突に横浜市の第三セクターであるシーサイドライン社に参画の依頼をしたように思いますが、何故、既設線である相鉄鉄道株式会社に依頼しなかったのですか?
(1-2)報道では『相鉄ホールディングス株式会社が大型テーマパーク構想を断念し、上瀬谷ラインからも撤退した』とありましたが、どういった経緯であったのか回答を求めます。

(2)相鉄本線瀬谷駅はコロナ禍前の1日平均乗降人員は44,000人です。
2021年3月[2027 横浜国際園芸博覧会(計画案)]にて、瀬谷駅・その他近隣駅も含めて「公共交通(鉄道利用)47%」と試算しています。
横浜花博期間中の混雑予測と、相鉄本線や周辺各社路線に与える影響予測の開示を求めます。

(3-1)横浜市は横浜花博期間中の瀬谷駅・近隣駅~花博会場 間の輸送手段はシャトルバスを想定しています。最大バス運行台数と運行方法とバスの停留基地など具体的な計画を明示してください。
(3-2)また、このシャトルバス運行の環境負荷についても試算を明示してください。

(4-1)海軍道路の拡幅は上瀬谷通信施設跡地内だけであり、跡地から南へ出ると、住宅街となり拡幅できる状況ではありません。拡幅の対象ではない跡地南側の海軍道路では、自転車専用通行帯が両側に設置される予定はありますか?
(4-2)もし自転車専用通行帯が途切れる部分が出る場合、シャトルバスの運行・歩行者の安全を考えると危険ではありませんか?
(4-3)昨年12月16日市会 建築・都市整備・道路委員会では瀬谷駅~花博会場 間の輸送手段に「自転車利用を検討する」との都市整備局長の答弁がありました。自転車をどのように運用する計画か詳細を明示してください。

(5-1)跡地内だけの海軍道路の拡幅によって近隣含む道路状況の混雑がどれほど緩和するのか予測を明示してください。
(5-2)横浜花博工事期間中・横浜花博開催中の道路状況について、会場周辺の近隣地区の混雑予測と市内外へ与える広範囲の混雑予測とを併せて回答を求めます。


5 花博費用計画について

(1)[2021年3月横浜国際園芸博覧会基本計画(案)2.5.2参加者の考え方(1) 最適密度に基づく来場者数のあり方]では『過去の国内の博覧会での実績や後背人口等から、1,500万人以上の来場が見込まれるが、会場内の空間(最適密度)の考え方に基づき、1日の来場者数は10万人に制限』と示され、そのため来場者数を抑え込むという考えのもとに「有料来場者は1000万人以上とする」と記載されています。
 『1日10万人』という試算は横浜花博の会場の広さに対して、最適密度を超えない人数として試算されたということですか?

(2-1)横浜花博来場者数は、同じくA1(A1=会期6か月以内・最低10カ国代表の参加の博覧会)クラスの1990年国際花と緑の博覧会(大阪・花の万博)や、同じく国際博覧会である2005年日本国際博覧会(愛・地球博)と比較し試算したものだと市の資料から読み取れます。
 経済情勢変化・人口動態変化・物価指数変化・実質賃金変化などの統計による変化率補整と国際情勢・人々の価値観の変化なども加味された試算になっているのかが疑問です。さらに周辺後背人口を100km圏内4120万人としていますが、大阪花博・愛知万博に比べると瀬谷は首都圏の最果てであり、アクセスが格段に落ちることも加味された試算なのですか?
(2-2)『1,500万人以上の来場』という当初の来場者試算方法を明示してください。

(3)本年3月18日予算特別委員会総合審査にて、井上さくら市議の質疑で「横浜花博の半年来場見込み1000万人と比較して、コロナ禍前の2015年の実績がディズニーランドは半年来場者数830万人・USJ半年来場者数695万人である」という発言がありました。
 その質疑で市長は下記のような答弁をされました。

「科学とかは同じ条件で比較するものです。ディズニーランド・USJなど時間がかかって平準化されているものと、花博のような短期で閣議決定されているイベントとの比較ではなく」

本年3月18日予算特別委員会総合審 井上さくら市議への市長答弁

 ディズニーランドは開園1983年の年間来場者数993.3万人ですが、営業323日のため365日に補整した半年の来場者は約561万人です。その後、企業努力を重ねじわじわと来場者数は増加していきました。
USJは開園2001年度の年間来場者数1102.9万人、半年の来場者は約551万人です。その後2014年まで初年度の来場者数を超えることがない低迷期が続きました。
 市長答弁の『横浜花博が閣議決定され短期間であることが、開園して時間が経ったテーマパークよりも来場者が多くなる』という科学的根拠をもった反証を示してください。

(4)2021年3月[2021年3月横浜国際園芸博覧会基本計画(案)]は、360億円とする運営費の286億円(79%)を入場料と来場者の飲食購買関連にたよる計画です。運営に失敗し360億円の収入がなくても、国庫からの負担はありません。市民は開国博Y150の失敗を記憶しており、横浜市の試算の甘さについて心配する声が多数寄せられているかと思います。本当にこの計画が失敗することはありませんか?科学的根拠をもって成功するという理由を明示してください。


6 暮らしやすいまちづくりについて

(1)本年3月28日横浜市都市計画審議会で都市整備局上瀬谷整備推進課長は「観光・賑わい地区につきましては、今、検討パートナー(三菱地所)とまちづくり協議会の方で検討を深度化しているところでございます。」と発言しました。
 まちづくり協議会の地権者の方にお話をうかがったところ「コロナ禍以降のまちづくり協議会は止まっている」とおっしゃっています。
 昨年4月相鉄ホールディングス株式会社が大型テーマパーク構想を断念したのは、コロナ禍の影響も大きかったはずです。コロナ禍以降にまちづくり協議会が止まっているのなら、この2年ほどテーマパーク構想について三菱地所はまちづくり協議会の皆様とどのように『検討を深度化している』のか明示して下さい。

(2)横浜市としては現在もテーマパーク構想を諦めていないということですが、その検討状況を教えてください。また、市・国有地もあることから地権者だけではなく、このまま横浜花博が実施されるとしても横浜花博後の跡地利用について市民にも随時わかりやすく公表することが望ましいとは考えませんか?

(3-1)「グリーンインフラの活用」「災害への対応の強化」等と現在の計画とかけ離れた文言が並んだ2019年12月[旧上瀬谷通信施設土地利用基本計画(素案)]を元に市は2020年1月に市民意見募集を行っています。この素案には、地権者と市だけで協議して決めた土地利用ゾーンが記載され、『ゾーニングを見直して』とする多くの意見募集を受けてもその計画を堅持しています。土地利用ゾーンについて市民意見が尊重されなかった理由を明示してください。
(3-2)2020年1月に行われた[旧上瀬谷通信施設土地利用基本計画(素案)]に対する市民意見募集の実施結果は、寄せられた702件の意見のうち計画に「賛同」は170件(24.22%)、「修正」に応じた意見は91件(12.96%)、「参考」とされた428件(60.97%)の意見は市にはね除けられました。
 『土地利用』に関する意見(119件)に限ってみると、「賛同」は3件(2.52%)、「修正」に応じたのは22件(18.49%)、市が「参考」としてはね除けた意見は94件(78.99%)にのぼります。
 この意見募集の中で、地域・近隣住民からの"まちづくり"に関する要望を下記に抜粋しまとめます。

・2006年6月「横浜から始める首都圏の環境再生」とする指針に戻せ
・花博・テーマパーク・観光にぎわいゾーンはいらない
・医療・福祉・子育て支援施設が欲しい
・当初指針のとおり、充実した防災拠点が災害の多いこの国には必要
・緑地・キャンプ場・公園・スポーツ施設。この大自然を生かした計画に
・生物多様性の観点が欠けている。持続可能な財産として環境を保全して
・コンクリート張りされた川を元の自然に近い形に戻して欲しい
・現行の農地を減らさず増やすことが望ましい
・交通状態は今も良くないがもっと悪くなり、地元の暮らしが成り立たない
・瀬谷駅起点の新交通システムはおかしな計画。バス路線を増やしてほしい
・公有地部分まで地権者が多いまちづくり協議会が決めるのはおかしい
・営利目的に公有地を提供し税金をつぎ込むのは公共性がなくおかしい

[旧上瀬谷通信施設土地利用基本計画(素案)]に対する市民意見募集の実施結果より

抜粋したような「参考」としてはね除けた意見の中に”暮らしやすいまちづくり”についての答えがあると思います。いまからでも意見を踏まえた計画修正にとりかかるべきかと思います。これらの意見をはね除けた理由を明記してください。
(3-3)せっかくの広聴の機会を無駄にし、意見を踏まえた"暮らしやすいまちづくり"計画とならなかった理由を明示してください。


7 市民の意見・住民自治について

(1)2020年1月に行った[旧上瀬谷通信施設土地利用基本計画(素案)]に対する市民意見募集の実施結果では、「参考」として市がはね除けた428件(60.97%)に対する回答(本市の考え)には計画内容を繰り返して述べるばかりで、その意見を採用できない理由が説明されていません。
市民意見募集(パブリックコメント)という広聴を、横浜市は事業決定の既定路線を補強するための手段として利用しているのですか?

(2)上瀬谷通信施設跡地で計画されている区画整理事業・公園整備事業の環境影響評価審議会では、下記(抜粋)のように審議されました。

・平らな宅地にするために切土・盛土・暗渠と暗たんたる計画。再考を。
・農業振興ゾーンも全て土を入れ替え、営農を続けられるのか疑義がある
・公園整備事業は、非常時の防災拠点としての機能も充分ではない
・公園整備の自然創出は、土地区画整理で『全滅』させる自然に対する代償

上瀬谷区画整理事業・上瀬谷公園整備事業 環境影響評価審議会 会議録より要約抜粋

 コロナ禍で価値観も変わり、長引くコロナ禍で困窮する市民も増えてきました。今こそ環境影響評価書をわかりやすく公表し、旧上瀬谷通信施設土地利用についての市民意見募集をするべきと考えます。改めて広く市民の意見を募集し、またそれを尊重した計画に変更できないとすれば理由を明記してください。

(3)2018年に行った[旧上瀬谷通信施設における国際園芸博覧会基本構想(素案)]への市民意見募集に寄せられた意見には、『一過性の6カ月のイベントである花博後のまちづくりを念頭においてほしい』との意見が散見されました。
 [分類2)展開の考え方、会場構成]についての意見62で「貴重な草原環境を保全する必要性があることから反対」との意見に対して、市の考えは「自然との共生やグリーンインフラなどを会場全体に波及させ、生物生息・生育環境に配慮し、生物多様性の可視化を展開する」と抽象的な言葉をならべて説明しています。
 実際の旧上瀬谷通信施設地区土地区画整理事業の内容は、市民が望む「貴重な草原環境の保全」には全くなっておりません。
この横浜花博に対する市民意見募集においても、市民の意見に対して軽視し真摯に対応していないものと見受けます。カジノIRが白紙となり、コロナ禍で市民の価値観も変わっており、横浜花博についても改めて広く市民の意見を募集し、またそれを尊重した計画に変更できないとすれば理由を明記してください。

(4-1)横浜市は広報相談課において「市民からの提案」「市長陳情」を「市民の声」としてHPに公表しております。本年4月30日現在で「上瀬谷」のキーワードで検索すると52件の広聴が掲載されています。
 この広聴の場でも、市民の声に対して軽視し真摯に対応していないものと見受けます。下記5件のような具体的な提案・疑問を呈するものであっても市の回答は、答えに全くなっていない『事業方針とその経緯』を記載にしています。
こうしたことは広聴を貶めているばかりか、市民を馬鹿にしていると感じます。
 以下に抜粋する「市民の声」の内容に対して具体的で的確な回答にならなかった理由を明記してください。

・「旧上瀬谷通信施設の土地を市民が育てる森にしてください」
(公表内容基準日:2022年3月3日)
・「SDGsの目標に反するので、旧上瀬谷通信施設跡地の環境破壊をやめてください。」(公表内容基準日:2022年1月26日)
・「上瀬谷通信基地跡地へのテーマパーク建設を見直すとともに、土壌調査結果などを市民に開示してください」(公表内容基準日:2021年12月24日)
・「国際園芸博覧会の損益分析を示してください」
(公表内容基準日:2021年12月22日)
・「上瀬谷通信基地跡地でのテーマパーク計画について、損益の分析を示してください」(公表内容基準日:2021年12月24日)

横浜市HP「市民の声」より

(4-2)また上瀬谷に関連するものだけでなく、広聴での回答が『方針の複写記載』だけで答えになっていないものを多く散見いたします。答えになっていないものを回答とする姿勢は『上瀬谷関連事業』だけでなく、横浜市政特有の理由があるのでしょうか?市として広聴の場をどう捉えこのような事態になっているのか理由を明記してください。

(5)横浜市が公開している「市民の声」では、本年4月30日現在で「上瀬谷」のキーワードで検索すると52件の広聴が掲載されています。
市の回答を読むと下記に抜粋するような、本地区の約45%の『地権者』の立場を強調したものが散見されます。

・「本地区の約45%の土地を所有する地権者が設立したまちづくり協議会においても、農業振興と土地活用の検討を進め、土地活用の方向性については、『賑わい、集客力、人を呼び込む』とし、テーマパークを中心に検討を深度化していくこととしました。」(多くの回答に記載)
・「観光・賑わいゾーンにおける土地活用方法については、現在、地権者が設立したまちづくり協議会が、幅広く検討を行っています」(公表日:2022年3月3日)

横浜市HP「市民の声」への市の回答より

 本地区の約45%の地権者の意見だけを聞くのは、横浜市の税金ばかりか神奈川県税も国税も投入するため、地権者以外の住民・市民・県民・国民に関わることであり不適切です。
地権者だけではなく、幅広く市民・国民を交えた検討を今からでも行うべきではないでしょうか?上瀬谷のあり方に関する検討に対して幅広く意見を広聴し尊重することが出来ない理由を明記してください。

(6)山中竹春市長は昨年9月10日市会での所信表明の中で、下記のとおり述べています。「市政運営には、市民の皆様との信頼関係が欠かせません。市民の皆様の声を聞き、市政に生かす、そのような現場主義の徹底とともに、地域で活動されている皆様との協働による住民自治を実現してまいります。」
 地域住民も、市民も上瀬谷の土地利用について知らされていないことがあまりにも多く、信頼しようにも、協働しようにも出来ません。
まずは市民にどのような『上瀬谷』のあり方を望むのかを広く聴き、その意見を尊重した計画に見直すべきではないでしょうか?これまでの周知のあり方が聞こえの良い部分しか伝えない『プロモーション』であった理由を明記してください。

以上

*note掲載のために少し改変しました。(内容に変更はありません)
下記共有リンクは提出文書の原本となります。
https://docs.google.com/document/d/1eghOfJibFblGGPNBDjNOtffzLtc5F25WFoX_Pi0kmRM/edit?usp=sharing

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