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兵庫県知事選:斎藤元彦は普通に勝った

兵庫県知事選、前知事の斎藤元彦氏が勝利し、衝撃が広がっているようだ。

テレビ・新聞など「オールドメディア」の報道が、SNSの拡散する情報に敗れたとか言われている。選挙の開票番組がお通夜のようだったり、NHKが最後まで当選確実を出し渋った。オールドメディア側、そして既存政党側の配線の衝撃は相当なもののようだ。

だけど、この選挙結果は、至ってまっとうなもののように思う。

それこそ、テレビが昨日言っていたことによれば、今回の選挙で何を基準に投票したかを出口調査で問えば、最も多かったのは「知事の3年間の改革の実績」だった。

「パワハラ疑惑」については、重視したという人が多かったが、正直なにが正しいかはわからない。それより知事の実績の正当な評価が重要という選択をした人が多かったということだ。

それに対して、他の候補者はNHK党の立花孝志氏を除けば(笑)、斎藤氏を潰すために出ていただけだ。いや、売名行為で出ていただけの人もいた。

なによりダメなのは、6人も乱立してしまったことだ。

斎藤氏を潰したいという理由はいけないとはいわない。しかし、本気でつぶしたいなら、稲村和美氏だけに候補を統一しないとダメでしょ。

結局、既存政党は一般国民からすりゃどうでもいい党利党略、自分がうまい汁を吸いたいだけ。これだけ叩かれた斎藤氏だから勝てるのは間違いない。自分らが一番おいしいポジションを確保したいと考えて、本気で斎藤氏を倒すための共闘をしようとしなかった。甘いわ。

「悪名は無名に勝る」

まあ、私の人生訓の1つでもあるかもしれませんが(笑)、あれだけ叩かれた故に、兵庫県内のみならず全国津々浦々に知れ渡った斎藤氏に、無名な人物が5名(除く立花氏=笑)バラバラにやったら、勝てるわけがない。

その上、斎藤氏を潰したい以外に、なんの政策もない(笑)。

稲村氏を筆頭に、20年続いた井戸県政のすばらしい時代に戻しますとしか聞こえないようなことを言っても、有権者には自分らを馬鹿にしたような話にしか聞こえなかったということだ。

つまり、何度でも繰り返すが、有権者は斎藤県政の3年間の改革実績にまっとうな判断を下した。

これは、オールドメディアとかSNSとか関係がない話だ。

オールドメディアもショックを受けることはない。選挙の前に、知事のパワハラ疑惑を報じるのは当然だ。選挙が始まれば、公平な報道をする。それだけのこと。普通のことをしただけだ。

SNSは、新しい選挙運動の方法に過ぎない。かつて「どぶ板」と呼ばれた方法があった。一軒一軒、有権者の家を頭を地面にこすりつけて土下座して回るようなやり方だ。それが、時代が変わり、SNSで有権者にダイレクトに訴える方法が出てきたにすぎない。

だって、SNSのない時代だって、選挙運動というのは、支持者に自分の正当性を一方的に訴えるものだったじゃないですか。その舞台がSNSに変わってきただけだ。

オールドメディアとSNSを比較するのがナンセンスかもしれないね。SNSは選挙運動の1つと考えれば、全く違うものだからね。

有権者に、政策を訴えるという、選挙の基本は何も変わっていないのだ。

その意味では、昨夜のオールドメディアの動揺は、自分らの存在意義も、SNSとはなんぞやもわからなくなった混乱といえるだろうね。

かつて、福田赳夫元首相は、自民党総裁選に敗れて退陣に追い込まれたとき

「天の声にも変な声がある」

と言った。今回の選挙結果について、同じように思う人がいるだろう。しかし、仮に「変な声」だとしても、必ず理由があるのだ。

私は、どんな結果が出たとしても、選挙結果には必ず理由があり、民意というものが存在すると考える。

要するに、有権者の判断というものを、バカにしてはいけないのだ。

オールドメディアが「SNSが、SNSが」というのは、結局、有権者をバカにしているのだ。変に影響されて「変な声」を出したと頭を抱えている。それは違いますよね。

まあ、私は結果はどんな結果であり、よかった、悪かったは考えないことにしている。そうでないと、物事がまっすぐにみれなくなるのだ。

斎藤元彦は、普通に選挙に勝った、ということだと思う。

ただ、斎藤氏の勝利は、「石丸伸二現象」から続く、新しい流れの延長線上にあるのは間違いない。

選挙の勝敗を決するのは「無党派(サイレント・マジョリティ)」。それは、既存政党による政治に飽きている。既存政治の外に、魅力的に見える存在が現れれば、それに飛びつくことになる。

東京都知事選の石丸氏、衆院選の玉木雄一郎氏の国民民主党、兵庫県知事選の斎藤氏。

そういう魅力的な人物に、富裕層やインフルエンサーがつけば、大きな政治勢力になる可能性が出てくる。政治は、既存政党VS新しい政治勢力の対立構図に変わっていく。

それは、先の話だと思っていたが、米国でイーロン・マスク氏がドナルド・トランプ新政権で入閣するという。しかも、政治のあり方を根底から変えるかもしれない役職で。まあ、失敗するかもしれませんがね。

仮に失敗するとしても、マスク氏が政治の世界に出てきた衝撃はあまりにも大きい。これは、欧州、日本のみならず、政治制度が不安定な新興国は尚の事、こういう現象は広がっていく可能性がある。

「社会安定党」VS「デジタルイノベーショングループ」の対立構図が世界的に広がるかもしれない。

そういう流れの中に、日本の一連の選挙もあるという視点でみていきたいと思う。



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