紹介したいnote記事「老人の散歩」
冬月剣太郎 猫詩人🐈さんの「老人の散歩」という記事を紹介します。
冒頭の「ふるさとは近きにありて想うもの。そして愉しく唄うもの」を読んで、室生犀星の望郷の詩句を思い出しました。
室生犀星の詩を調べてみると、次のような意味があるようです。
室生犀星が「遠きにありて思ふもの」「悲しくうたふもの」と詠んでいるのに対し、作者は「近きにありて想うもの」「愉しく唄うもの」と詠んでいます。
「気が遠くなるくらい懐かしいふるさとを散歩しながら、大人になるにつれて忘れてしまった、少年時代の心の破片をひろい集める」
室生犀星が東京にいた時は、故郷の思い出は「美しく価値あるもの」だったのに、実際に帰ってきてみると、想像していたものとは違って「美しくはなかった」のでしょう。
それに対して作者の故郷は、懐かしく美しい思い出そのままだったようです。だからこそ、「近きにありて想うもの」「愉しく唄うもの」と詠みたかったのでしょう。
「ただの石ころのようでもあり、燦然と輝く宝石のようでもある、少年時代の想い出」
作者はきっと、これからもたびたび故郷を訪れては、大人になって忘れてしまったものを集めていく事でしょう。
いいなと思ったら応援しよう!
よろしければ応援お願いします! いただいたチップはクリエイターとしての活動費に使わせていただきます!