紹介したいnote記事「短歌 …恋 四首」
ナッツさんの「短歌 …恋 四首」という記事を紹介します。
「後ろからそっと目隠しした指をはずして君はその手にKISSを」
この二人は恋人同士なのでしょう。片想いの相手に後ろから目隠しするのは、かなり勇気が必要です。幼馴染みで昔から仲の良い友だちなら出来なくはないと思いますが、手にキスをしているのですからやはり恋人でしょう。
遠距離恋愛で久しぶりに会う二人。待ち合わせ場所には既に彼女が待っています。彼は彼女に気づかれないようにそっと後ろに回り込み、「だ~れだ」と言って目隠しをする。
彼女は彼の名を言ってから手を外し、振り向かずにキスをする。手の大きさと温かさ、そして声で彼だと確信した彼女は、振り返る前にキスをするのでしょう。
「大切な君とは付かず離れずで果実をかじるように切なく」
この短歌は、「大切な君」「付かず離れず」「果実をかじるように」「切なく」の4つに分けられます。大切に思うからこそ、微妙な距離感です。これ以上近づくと関係が壊れるかも知れない、そんな不安を抱えているからこそ距離を取るのかなと思います。
「君の顔見るなり溢れこぼれてく涙はいつも言葉より先」
「涙は言葉より先」だと。言葉は考えてから発しますが、涙は自律神経の働きですから、意志とは関係ありません。まるで、雷が光ってから音が聞こえてくる感じですね。
「この場面では泣いた方が良いかな」と頭で考えた結果ではなく、嬉しい感情がそのまま涙という形になりました。その涙を見るだけで、どれほど愛してくれているのか瞬時に伝わります。
「ひと欠片君が投げた星くずはポケットの中で今もキラめく」
この星くずというのは、先ほど零れた涙の事でしょうか。ここまできてようやく、この四首が全て繋がっている事に気づきました。心の中にあるポケットにしまわれた、星くずのような愛の感情。それは今もキラキラと輝き続けています。
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