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読書感想「みんなのイラスト教室」中村佑介著
アジアンカンフージェネレーションのジャケットイラストや本の表紙イラストなどで活躍されている中村佑介さんの本です。
「おわりに」に書いてありましたけど、この本は、「お金がなくて絵を学べなかった人」や「興味はあったけど、周りに絵を絵を描く友達がいないから何となく描くのをやめてしまった人」に向けて書いたそうです。
個人的には、このことは最初に書いていても良かったのでは?とも思いました。
自分の場合、親に「学費がかかるからダメ」とか、「絵で食べていける人は一握りだ」という感じで言われてましたので、けっこう著者の「できるだけすくいとりたい人」に自分も該当しているのではなかったかな、と思います。
それでまた自分の話にはなりますけど、なんだかんだで、自分はコンピュータ系の他大学に行くことになりました。
実際は絵で食べていける人もそれなりにいるのでしょうけど、そのときは調べもせず、親の言いなりで自分にも落ち度はあったと思います。幼かったのでしょうね。
結局は大学卒業後、何も社会のことをわからないまま「フリーのイラストレーターになりたい」と意気込みましたが、成果は出ずにシステムエンジニアとして就職します。
でも結局、システムエンジニアは合わなかったのか病気になってしまい、仕事を辞めざるを得ませんでした。
その後は病気が安定し、印刷関連会社に生産管理として就職したのですけど、そこで病気の再発。これまた離職することになりました。
結局その後、病気療養しつつ、創作をする日々が始まります。最近になり、イラストのお仕事を少しいただいたり、イラストのダウンロード販売などをして少しばかり収入を得られるようになりました。
健康を失って、結局手元に残ったのは、創作することでした。あまり良い歩み方ではないですけど、イラストレーターの端っこにいる感じになりましたかね。
本の中では、「中学までは絵のうまさ、高校では構成力、説得力」がポイントになるとおっしゃってました。自分はいまだに絵のうまさにこだわっていました。
それと、「絵の技術的にうまくならなくても、考え方次第でデザインを変えることで伝えたいことを伝えられるようになる」ということも書かれていました。
デザインも大事なんだな、と著者が添削する手順を読んで実感を持って感じられました。
あとは「お客さんの立場になって、「役に立てる」ことも大切」だそうです。
「その絵がどこで、どのように使われ、誰の役に立つのか」も考えないといけないようです。
ただもうひとつ、「心をつかむ絵」であることも大切だそうです。
なので、「うまい」「可愛い」だけでないアピールポイントも必要らしく、自分は「可愛いイラストを描きたい」といまだに思っていたので、まだまだ足りないものがあるのかもしれないですね。
著者は、このお話の中で、「絵を成長させてあげれば、単なる「お洒落」や「可愛い」といった印象だけにとどまらない、「街中で振り向かれる」という状態に。そしてさらに一歩進んで、「結婚したい」と思わされるようなものが作れるようになると思います。それを僕らは「買い物」と呼んでいます」なんていう独特の、けど納得のいくお話をされていました。
他にもその人その人が感じられる部分があると思います。お手軽価格でもありますので、イラストに興味のある方や、イラストに興味のあるご家族をお持ちの方などにおススメだと思います。
遅い一歩を踏み出した自分ですけど、この本に出合えてよかったです。