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ライターが漫画のネームを描いたら、ライティングにも役立つ学びを得られた話

突然ですが、皆さんは漫画のネームを描いたことがありますか?
ネームとは、漫画のセリフや人物配置を大まかに表した、いわゆる「絵コンテ」のこと。

私は漫画家でもイラストレーターでもありませんが、先日、はじめてネームを描く機会がありました。
そしてそのとき、ネームづくりはライティングスキルを磨くことにも通じると感じたんです。

はじめまして!
『素敵なギフト』というWebメディアで編集・ライターをしているカミムラナナといいます。

『素敵なギフト』ではギフトにまつわるさまざまな記事を制作していて、6月に「出産祝い」の記事を公開しました。

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そして、この記事の公開にあわせ、SNSで皆さんに楽しんでいただくためのコンテンツ(これを『素敵なギフト』編集部では「マイクロコンテンツ」と呼んでいます)をいくつか発信しました。

そのマイクロコンテンツのひとつが、出産祝いの「あるある」な失敗を描いた4コマ漫画。
合計3作の4コマ漫画をプロの作家さんに描いていただき、私のTwitterアカウントでツイートしたほか、記事にも掲載しました。

実は私、漫画制作をディレクションするのは初めて。
なので、「何もかもが勉強!!」という感じだったのですが、とくにネームづくりで「視点をずらす」「削る勇気をもつ」など、ライティングにも役立つ学びをたくさん得られました。

今回はそんな学びを私なりに言語化してみようと思うので、読んでいただけるとうれしいです。

マイクロコンテンツとは

まず、そもそもなぜ4コマ漫画を制作することになったのか。
それは、読者の皆さんとの交流の機会を増やすことで、想いをこめて制作した出産祝いの記事をたくさんの方に読んでいただきたかったからです。

出産祝いの記事は、「私のように、出産祝いに何を選べばいいか悩んでいる方のお役に立ちたい!」という願いが出発点となり、オンライン座談会やアンケートを実施しながら制作しました。

ただ、どんなに一生懸命制作した記事も、それを必要とする人に届かなければ意味がありません。

そこで、記事の存在を知っていただく機会を少しでも増やすために、記事の内容に関する小さなコンテンツ「マイクロコンテンツ」をSNSなどで発信することにしました。

『素敵なギフト』編集部が考えるマイクロコンテンツには、いろいろな種類があります。
以下の画像は、編集長の松尾がTwitterに投稿した、マイクロコンテンツのアイデアマップです。

今回は4コマ漫画だけでなく、Twitter上でのクイズやアンケート、プレスリリースの配信など、さまざまなマイクロコンテンツを試みました。

ちなみに、マイクロコンテンツは読者の皆さんと交流するのが目的だと書きましたが、それと同じくらい大切にしていることがあります。
それは、「読者の皆さんに『読んで良かった!』と思っていただく」ことです。

「マイクロ」といえど、ひとつの立派なコンテンツ。
少しでも多くの方に「参考になったな」「ちょっと元気出でたかも」など、ポジティブな気持ちになっていただける内容にしたいと考え、編集部でイチからじっくりと企画を練りました。

今回ご紹介する4コマ漫画についても、まずはネタを探すところからスタートしました。

ネームをつくるまで

4コマ漫画制作の第一関門、ネタ探し。
読み終わったときに「なるほど」と思ってもらえたり、クスっと笑ってもらえるようなストーリーにするのが目標でした。

ヒントになったのは、ママ・パパのリアルな声。
今回、出産祝いの本音を聞くオンライン座談会やアンケートを実施していたので、その中の「ちょっと困った」あるあるエピソードをもとにネームを作成しました。

たとえば、オンライン座談会で伺った「ぬいぐるみ」にまつわるエピソード。

大きなぬいぐるみをいただいたけれど、赤ちゃんのころは遊べませんでした。
ようやく遊べる年齢になっても、子どもの好みに合わず、結局まったく見向きもしてくれなかったので、ちょっと困ってしまいました・・・。

このエピソードをもとに、私が描いてみたネームがこちら。

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(こんな絵ですみません・・・!)

もともと絵を描くセンスがないうえに、ほんっとうに久しぶりに描いたので、「クマが横向きのときはどこから足を出すの!?」などと試行錯誤!
鉛筆で描いては消し、描いては消しの繰り返しで、1時間もかかってしまいました・・・。

でも、描くのが苦手ながらも、とても楽しくて!!!
脳のいつもと違う部分を使い、脳全体がものすごく活性化された気がしたんです!

そして、四苦八苦しながらネームを描く中で、「あれ、これはもしかしてライティングにも活かせるんじゃないかな・・・?」という気づきがたくさんあったんです。
ここからは、その気づきをお話しさせてください。

【気づき1】オチをつける

「えっ!?」と驚いたり、ついつい笑ってしまったり・・・4コマ漫画にはたいていオチがありますよね。
今回のネームはまずオチを考え、そこから逆算してストーリーを組み立てていきました。

オチは漫画の「軸」で、いわば読者に一番伝えたいこと。
もしオチがついていなければ、読者は最後の最後に「手を放された」感覚になり、「一体何が言いたかったんだろう?」とモヤモヤしてしまいます。

ですから、先ほどの「読者の皆さんに『読んで良かった!』と思っていただく」とも重なりますが、読者にお伝えしたいことが届き、素敵な読後感を得てもらえるように意識しました。
(もちろん、あえて読者に「考えてもらう」パターンの漫画もあると思いますが、それもオチを練ってはじめて実現するのだと思います)

今回は、「ぬいぐるみは子どもの好みに合わないと遊んでもらえないこともあるので、出産祝いに選ぶときは要注意」というノウハウを、クスっと笑えるようにお伝えしたつもりです。

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オチ(軸)をしっかり意識することは、記事制作でもとても重要だと思っています。
出産祝いの記事の場合、「ママ・パパに本当に喜んでもらえる出産祝いがわかる」がオチ。
それがブレなければ、「じゃあ、ママ・パパの本音を聞く座談会やアンケートを開催しよう」など、やるべきこともクリアになります。

【気づき2】視点をずらす

今回の4コマ漫画では、「誰目線で描くか」ということを強く意識し、ぬいぐるみを主人公にしました。
なぜなら、4コマのテーマが「出産祝い選びで失敗したエピソード」だったから。

どういうことかというと、ネガティブなテーマを当事者の目線(今回の場合、出産祝いを「贈る側」と「もらう側」の目線)でそのまま描くと、深刻な雰囲気になりすぎてしまうと思ったんです。
また、実際にぬいぐるみを贈ったことがある方がもしこの4コマを読んだら、「自分は失敗してしまったのかな」と悲しい気持ちになってしまうかもしれません。

でも、話者を人ではなくぬいぐるみにして「視点をずらす」ことで、失敗を笑いに変えられて、読んだ人が不快にならないのではないかと考えました。

人の目線で描く場合も、「もらったオムツケーキがかわいすぎて、大切に眺めているうちに使うタイミングを逃してしまった」というように、誰も「悪者」にしないことを意識しました。

こうした「視点をずらす」考え方は、ライティングにも活用できると思っています。
たとえば、出産祝いの記事には、アンケートや座談会でいただいた声を積極的に掲載するようにしました。

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なぜなら、出産経験がない私の視点で書くのは限界があるし、説得力に欠けてしまうから。
何か伝えたいことがある場合は、自分語りを減らし、経験者の方に本音で語ってもらうのも大切だと思いました。

【気づき3】絵に語ってもらう

漫画では、説明過多なセリフは読者の没入感を下げてしまいます。
なので、絵にどれだけ語ってもらうかが重要。
今回のネームづくりで一番苦労したのも、登場人物の感情を伝えるために、どんな絵にするかを考えることでした。

たとえば、4コマ目はぬいぐるみの哀愁を表現するために、赤ちゃんがぬいぐるみに背を向けている様子にしようと決めました。
ただ「悲しい」とセリフにするのではなく、表情や人物配置、効果音、線などで感情を描写するのは難しかったですが、とてもやりがいがあって楽しいプロセスでもありました。

そして、描写力が大切なのは、ライティングも同じだと痛感したんです。

出産祝いの記事ではオススメの商品を41点厳選して紹介していますが、ただ「オススメ」というキーワードを繰り返し使っても、読者にはギフトの良さが伝わりません。
他のギフトとの「差分」が浮かび上がるように、「オススメ」をできるだけ使わずに各ギフトを描写する。
そのためには、それぞれのギフトの特徴や喜ばれる相手・理由などを明確にしておく必要があります。

言葉(セリフ)ではなく絵で表現しようと四苦八苦したことで、逆にライティングでの描写力についても振り返れたのはおもしろいなと思いました。

【気づき4】削る勇気をもつ

先ほどもお伝えしたとおり、漫画は絵に語ってもらい、セリフを必要最小限にすることが大切。
ただ、私はそれがなかなかうまくできず、状況説明になってしまいがちでした。

これに気づけたのは、編集長や先輩たちにネームをフィードバックしてもらえたから。
たとえば、4コマ目は当初、ぬいぐるみに「君はその子がお気に入りなんだね・・・」というセリフをつけるかどうかでものすごく悩み、結局入れてみたんです。
でも、編集長に「絵を見れば理解できるし、冗長な印象になる」と指摘を受け、思い切ってカット!
すると、「見向きもされなかった」という一文が活き、間延びせずにスッキリと漫画が終わるとわかりました。

ちなみに、こちらが私が最初に描いたネーム。

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そして、以下が編集長たちにフィードバックしてもらった後のネームです。 
こちらを作家さんにお渡ししました。

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(フィードバックを受けて、3コマ目のセリフをリライトし、4コマ目のセリフは削除しました)

私はついつい文章が冗長になってしまうので、「本当にこの表現は必要だろうか?」とつねに自分に問いかけ、思い切って削る勇気が必要だと思いました。
また、冗長になったときは「自分が一番伝えたいこと」を再確認するのも大切かもしれません。

まとめ

ネームづくりでは四苦八苦しましたが、漫画はどうにか完成しました(泣)!!
今回のネームをもとに作家さんに描いていただいた漫画はこちらです!
出産祝いの記事にも掲載しているので、もしよかったらご覧ください。

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Twitterでも紹介させていただきました!

当たり前ですが、さすがプロの作家さん・・・。
私の拙いネームから想像の1000倍以上、素敵な作品を描いてくださって、大感激です!!

今回、編集長たちにがっつりとフィードバックしてもらったり、プロの作家さんに描いていただいたりして、さまざまな視点からひとつのコンテンツをつくる醍醐味を感じました。
これも、ネームづくりで得た大きな気づき。

これからも、たくさんの人と力を合わせながら、「読んで良かったなぁ」と皆さんに思っていただけるようなコンテンツを作っていきたいです。

以下の出産祝いの記事では、今回の「ぬいぐるみ」以外の4コマも紹介しているので、もしよければご覧ください😊
https://nice-gift.jp/1356

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