[0007]定年が近い高校時代の同級生 ”M” の話
定年が近い高校時代の同級生 ”M” の話
私は、店内でおもちゃを作っていた。
重い音をたてて扉が開いた。
男が一人入って来る。
「よう」
「おう、久しぶり」
男は高校の時の同級生Mだった。
Mは紙袋から缶ジュースを取り出し、私に差し出した。
差し入れは「ドクターペッパー・チェリー味缶」だった。
「おぉドクペ!」
私は作業を止め、缶のプルトップのフタを開け一口飲んだ。
久しぶりの味がのどに染みる。
「ドクペのチェリー味は良い。昭和を思い出すなぁ」
「だろ」
Mはニヤニヤしなが