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ありがとう さようなら コロナ禍でそっと閉じていく私の水引アトリエショップ

こんにちは! 紙単衣の水引デザイナー小松です。

2020年5月も後半に入りました。自粛が解除された地域が出始め、予想より早く新時代の希望が見えてきた今日この頃。

2年前から東京都小金井市に構えている水引アトリエショップを5月末で閉店することに決めました。
ただいまオンラインショップでは、実店舗閉店セール を開催中です。

正直あまり利益を生んでいない場所だったので、端から見るよりあっさり閉店を決めてしまったのですが、惜しまれる声をいただき、滅多にない機会でもあるので店舗を持った経験から考えたことをここに記しておきます。

アトリエショップが担っていた機能

借りていた物件の延べ床面積は6平米(水場は別)で、什器を置くとかなりこじんまりしていました。それでもこれだけの機能を担っていました。

<アトリエショップの機能>
・店舗…商品の販売
・教室…水引細工体験の提供
・倉庫…商品の在庫保管
・展示…過去作品の観賞
・作業場…商品制作、事務作業
・打ち合わせ…クライアント様ご訪問にて商談
・取材…メディア担当者様ご訪問にて撮影、インタビュー等

契約時の主な利用目的は、実は倉庫と作業場で、ついでに店舗ができたらいいなと思っていました。しかし実際に利用を始めてみたら、それ以外の機能に重きを置いていました。訪れてくれる人との交流が第一の利用目的となっていったのです。

リアルショップを持って良かったこと

お店を始めたのが、ちょうど独立したタイミングだったこともあり、一気にメディア取材が増えました。場所を持っていると、やはり本気度を感じる方もいらっしゃるかと思います。記事を見たクライアント様からお仕事のお声をいただくこともありました

そして、思いがけないご縁も生まれました

ご近所さん向けの宣伝活動は特にしていなかったのですが、SNSを見た水引に興味のあるお客様が、都心部や地方から上京ついでに立ち寄ってくれました。また、私が水引の産地である長野県飯田市生まれであることを知って、飯田市にゆかりのある方が何人も訪ねてくれました

通りがかったご近所の方の繋がりで商品をお取り扱いいただいたこともあったり、結婚式のレンタル品を提供することになったり、オーダーメイドを受けたり、ご意見をいただいて商品や作品作りへ反映させたこともありました。

決して人通りの多くない立地で長閑に過ごしていましたが、振り返れば、ご来店の方々から多くのヒントやチャンス、刺激をもらっていました

閉店の理由

もともと個人で趣味のようにはじめた事業なので、私にとって場所をもつということは余裕があるときにできる附随的なことという前提があります。
そのため、明らかに余裕がなくなると思ったら、即刻手放すという選択になりました。

それでも敢えて理由を言葉にするなら、この辺り・・・

・固定費の負担
・店内でソーシャルディスタンスを確保する難しさ
・未知のウイルスに自分の衛生管理で対策する不安
・社会経済と事業の先行きの不透明さ

もし、また店舗をもつ機会があるとしたら、お客様が何度も訪れたくなる仕掛け作りをしたり、運営を手伝ってくれる人を探したり、近隣の商店ともっと協力してきちんと利益が出る仕組みづくりに挑戦したいと思います。

閉店後の活動

6月からは公開住所や事務作業、打ち合わせ用の場所として、今のアトリエショップのすぐ隣のシェアスペースに入居します。

日々のお客様向けの活動はしばらくオンラインのみになります。
安心して会える日が来たら、リアルな場所での販売や講師業も検討したいと考えています。

さいごに

SNSやLINE公式で閉店のお知らせしたところ、たくさんのコメントや直接のメッセージをいただきました。

温かいお言葉をいただき、とても励みになります。本当にありがとうございます。

今後のことをあれこれ考える中で、最近、うなぎの寝床さんのnoteを読みました。

私がでうまく言語化できていないけれど、水引を通じて実現したかったことは、ここに書かれている地域文化商社の活動に非常に近いことがわかってしまいました。

あるプロジェクトをきっかけに水引デザイナーという肩書きでこれまで活動してきましたが、もっと黒子でいいからきちんと経済循環に寄与したいという思いがあります。

ともあれ、今はまず自分の生活基盤を心配しすぎない状態でいられそうかを見極めることが優先です。それから自分の能力を活かせてやりがいを感じる仕事を、新時代にあわせて探す、あるいは創ることになります。

時代もルールも変わりますが、このコロナ禍も実店舗閉店もバージョンアップの好機となるよう、思考や感情を前に進めたいと思います。

【この記事に関するお問い合わせ先】
kamihitoe.shop@gmail.com

サポートいただいた際には、新たな水引製品を開発するための材料や小道具を充実させたいと思います!オーダーメイドのご依頼もお待ちしています。