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美術史解説マンガ:出光美術館の重要文化財を徹底比較!
2019年11月23日(土・祝)~2020年2月2日(日)、出光美術館の展覧会「やきもの入門 ―色彩・文様・造形をたのしむ―」にて、解説パネルの一部に漫画を寄稿しました。
会期中を通して、3枚のパネルに私のやきもの解説漫画が展示室内に掲示されました。きちんと仕事として依頼を受けて描く、というのはこれが初めてとなりますので、いわば私のデビュー作となります。
今回は、3枚のパネルのうちの1枚「重要文化財の二大名品 徹底比較」をご紹介します。
《色絵鳳凰文共蓋壺》(上コマ)と《色絵花鳥文八角共蓋壺》(下コマ)、どちらも重要文化財に登録されており、出光美術館が所蔵しています。
また、どちらもほぼ同じ時代に制作されたものなのですが、漫画の通りその特徴を細かく見ていけば、材質や色、需要層などが全然違うことがわかります。
展示室では、このパネルの傍に、実物を行灯型ケース(360度ぐるっと回って観られるケース)で展示しており、来館者は実物とパネルをじっくり見比べながら、違いを感じられるようになっていました。
依頼を受けた当初は、「実物も一緒に展示するなら、壺の絵は多少デフォルメが効いてても大丈夫かしら…?」と考えていたのですが、「作品の特徴を細かく説明したいので壺の絵はなるべく実物の姿に忠実に…」と指示が…
そんな訳で、壺の絵は、図様は勿論、比率もなるべく実物と合うように、私なりに頑張って描いています。
ちなみに、漫画に登場している着物のキャラクターは、上の《色絵鳳凰文共蓋壺》の作者、野々村仁清(ののむら‐にんせい)の弟子、尾形乾山(おがた-けんざん)です。
江戸中期の陶工・画家で、尾形光琳(おがた-こうりん)の弟にあたる乾山。乾山の肖像は、あらゆる人物の伝記と肖像をおさめた『先哲像伝』という本に載っていまして、その肖像を元にキャラクター化しています。
徳齋原義正道『先哲像伝』第六冊、部分
引用:国立国会図書館デジタルコレクション
会期中、乾山くんはなかなか評判が良かったとか、そうでもないとか。