上町しぜんの国保育園 第2回園内勉強会エピソード
◯ながれぼしピクニック(異年齢)
このユニットでは、Nちゃん(4)、Eちゃん(5)、Mちゃん(3)がおままごとコーナーで料理を作っている。
Iちゃん(5)、Rくん(3)、Jくん(3)はカニを折り紙を折って遊んでいる。
Yくん(4)、Kくん(4)、Yくん(4)は丸い蓋で矢印が誰に当たるかゲームをしていた。
私は、おたまじゃくしの様子を見て、水換えをしたいな〜と思っていた。
Iちゃん「きょうなにする?おまつりごっこやる?」とYくんたちのゲームを見て、お祭りをイメージしたらしい。
「おまつりごっこ、いいね〜」と言っていると、Nちゃんが「Iちゃん、このなかからなにがたべたいですか?」と注文を求めている。
Iちゃんは「じゃあこれたべたい」とクッキーを指差す。
Nちゃん「わかりました。ではしょうしょう、おまちください」と言いながら、早速とEちゃんとMちゃんに注文を伝えて作り始める。
私はそれを横で聞きながら、おたまじゃくしを眺める。
すると、Iちゃんが「あ、カエルになってるから、いしをさがしにいかなきゃ」と前に何度か話していたことを思い出し、園庭に行くことに。
RくんとJくんも一緒にいくことになり、4人で園庭に出る。
小さい石や平べったい石を集めて、水で洗い、またユニットに戻る。
石を入れ終わると、Nちゃんたちのご飯もできたようだった。
私「じゃあ、テラスでお茶飲みにいこ〜」
と声をかけながら、やかんとコップを持ってテラスに出る。
Eちゃんは箱椅子を並べてお家のように囲う。
Mちゃんも作ったご飯を並べ始める。
大きな布も用意して、かーりー(上町職員)とIくん(0)も一緒に座りながらお茶を飲む。
IちゃんとIくんにカニを見せているよう。
すると、Eちゃんが何かを掲げながら走り始める。
Nちゃん「ながれぼしだ〜」
私はピクニックになりそうな道具を部屋に探しに行っているとNちゃんから「もうすぐながれぼしが、はじまるから、はやくきて」と呼び出される。
Jくん、Rくん、Yくん、Kくんも集まって、みんなで座る。
私「おねがいごとしたら、かなうかも!美味しいご飯が食べられますように」
Yくん「ひーろーになれますように」
Kくん「ウルトラマンになれますように」
私「保育園がおやつになって、食べられますように」
Yくん「あはは」
Nちゃんは立ち上がって、前に並んでいる箱椅子の上に立って「さぁ、ながれぼしがはじまります。みんながとまったらでてくるので、それでははじまりはじまり〜」
Eちゃんが目の前を照れくさそうに走り去っていく。
Nちゃん「あー!Eちゃん!」
Nちゃんも追いかけていく。
Jくん、Rくん、Kくん、Mちゃん、Yくん、と並んで座って、次の流れ星を待つ。
NちゃんがEちゃんと話をつけたのか戻ってきて、
Nちゃん「あと、じゅんぷんで、ながれぼしが、はじまります。みなさん、じゅんびを、おねがいします。ねがいごとは、ゆめのなかで、みれるのです。」
Yくん「なににしようかな〜」
Nちゃん「それでは、じゅんびができたようです。ながれぼし、はじまりまーす。」
みんな「3.2.1」
Eちゃんが積み木の星を投げる。
みんな「あれれれれ?」
Nちゃん「ながれぼしはすぐにきえてしまうから、すぐにいなくなってしまうのです。だからすぐにみないといけません。みんなわかったかな?」
Yくん「たってみればいいんだ!はやくながれぼし、ながれてよ〜」
Nちゃん「それではいきます!3.2.1どうぞ!」
Eちゃんが走り去っていく。
各々で願い事を唱える。
Yくん「うわーいえた〜」
この日のことを、みんな「ながれぼしピクニック」って名前にしていた。
いつからながれぼしピクニックになったのか分からないけれど、いつの間にかユニットのみんなが集まっていて、いつの間にかえまが流れ星をやっていて、いつの間にかNちゃんが司会者になっていて、いつの間にか願い事を唱えている。
最初はみんな違うことに興味があって、各々遊んでいたところに、お茶飲もうという声かけと赤ちゃんを目印にしてなのか、気づいたらユニットのメンバーが集まっていた。
みんなが「これしよう!」と言うのではなく、Iくんを囲んでみんながいる、ちょっとそこに行ってみると楽しそうなことが始まりそうな予感。
こうしたいをやっていたらどんどん楽しくなって、いつの間にか出来上がった「ながれぼしピクニック」だった。
◯ジャンプ台に集まる中の、Iくん(異年齢)
お昼寝が終わって、おやつを食べ終わった子たちが散っていったあと。
私はIくん(0)とMちゃん(3)とIちゃん(5)とおやつのおにぎりを食べていた。
赤ちゃんスペースのところで、Nちゃん(4)、Yちゃん(4)、Zちゃん(3)、Cちゃん(2)、Rちゃん(2)たちが棚の上に上がってジャンプしている。
下にはりおの布団が敷かれていて、転んでも安全なようにしてある。
Mちゃんもおやつが食べ終わるとそこに入っていく。
私も、みんなが並んでいる姿を見て、一緒に後ろに並ぶ。
みんなの真似をして棚に上がって飛んでみる。
棚は思ったよりも細くて、少しひやひやする。
Rちゃんの布団を超えて着地できたことに「やった、すごい飛んだ!」と嬉しくなる。
すると、Eちゃん(5)もRくん(3)も集まってきて、みんなどれぐらい飛べるかを競い出す。
Iくんも、最初は私がいる姿を見て、半分泣きながら近づいてきていたけれど、私がみんなが飛んでいる横に座ってみると、みんなの楽しそうな姿を見て、布団の上を往復し出す。
誰かが飛ぶと、拍手する。
みんな飛ぶ瞬間に「Iくん〜あぶないよ〜」と声をかける。
Iくんは意味は分かっていないけれど、その場にいることを満足げに感じているよう。
布団がずれて、EちゃんやYちゃんが直す姿を見て、少ししてからいとも、布団を触りだす。
布団を畳み始める。
「もう〜、Iくん〜、たたまないでよ〜」と半笑いで言われる声が聞こえる。
Iくんも、みんなと同じことができたことが嬉しかったのか、みんなから声をかけられたのが嬉しかったのか、満面の笑みでみんなの顔を見ながら歩き回る。
流れ星ピクニックは、Iくんの周りに集まるような雰囲気だったけれど、今回はIくんがその場に入っていって馴染むような感覚だった。
この場にIくんがいるってどんな感じなんだろう。
◯ソファーに集まる3人組 (同年齢)
夕方、ユニットのソファーでKくん(1)が立っている。
私はKくんの様子を掃除しながら見ていた。
すると、Kくんはソファーの上でジャンプし始める。
今Kくんはソファーの振動を楽しむのを気に入っているみたい。
すると、Nくん(1)もソファーに乗って、ジャンプし始める。
Kくんと私の顔をニコニコしながら見ている。
その姿を見ていたAくん(1)も、ソファーに乗って、「ぼくが、いちばん、はねられるぞ!」と言わんばかりの自信満々な表情で大きくジャンプする。
Kくんも、2人が来てくれたことが嬉しかったのか、同じことができて、楽しめることが嬉しかったのか、さらに表情が柔らかく緩む。
Nくんも「ぼくもできるんだよ〜」と言わんばかりに口を開けて「あー!あー!」と言ってジャンプする。
みんな一歳になった3人組。
時々、不意にこの3人が集う時がある。
色んな年齢の子どもたちが混じりあう中で、同年齢の子たちが集まるのってどういうきっかけなのだろう。
みんな意思を持って3人が集まっているようにも感じるけれど、そこには何が存在するのか。
できることが一緒で、同じように楽しめることが嬉しいからか。
それとも、本能で近しい年齢を察知して、この3人が集まるのか。
この仲間感なのか、自然と引き寄せられているような感覚はなんなんだろう。