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告白雨雲(#毎週ショートショートnote)

とある研究室、エル博士と助手のジェイが日々研究を行っていた。

「政府から依頼されていた台風の進路を変えることのできるミサイルシステムが遂にできあがったぞ。この赤いボタンを押すとミサイルが発射され、台風の進路が変わる。これで我が国の台風被害も少なくなる」

「おめでとうございます、博士、ところで、隣の青いボタンは何ですか?」

「孫に頼まれた雨雲製造システムだ。まだ試作段階だが、じきに完成となるだろう。孫のヤツ、どうやら好きな子ができたらしく、突然雨を降らせて傘を貸し、告白したいらしい。ボタンの隣のつまみをひねると雨の量も調整できる優れものだぞ。早速実験してよう。雨量はマックスにして、ポチッと」

研究所の周りは秋晴れの空に変わりはなかった。

「あれれ、失敗かな」

その時、ジェイのスマホに妻からの着信があった。
「なんだろう・・・」

「今、買い物中だけど、家の周りが大雨らしいのよ、家に帰って、洗濯物を取り込んでよね」
ジェイは大雨の中、家路についた。

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