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ギリシャ語の二重否定は英語とは違うとか?
ギリシャ語の二重否定は英語とは違うとか?
ChatGPT:
はい、ギリシャ語の二重否定は英語の二重否定とは違います。
ギリシャ語の二重否定
ギリシャ語では、二重否定が強調表現として使われ、否定の意味を強める役割があります。これは、二つの否定が合わさって「絶対に~ない」という強調的な否定を表すためのもので、意味が肯定に変わることはありません。
例えば:
οὐδεὶς οὐ λέγει は「誰も何も言わない」と訳され、非常に強い否定を表します。これは「絶対に誰も言わない」といったニュアンスになります。
英語の二重否定
一方、英語では二重否定は避けられる傾向にあり、二重否定を用いると意味が肯定に変わることが一般的です。
例えば:
"I don’t know nothing" と言うと、「何も知らない」という意味ではなく、厳密には「何か知っている」という肯定的な意味に解釈されます。
ギリシャ語と英語の違いの要点
ギリシャ語では二重否定は強い否定を表す。
英語では二重否定は避けられるか、肯定の意味に解釈される。
このため、ギリシャ語では二重否定が自然な形で使われるのに対し、英語では文法的に違和感を伴うか、意味が反転するという違いがあります。
あなた:
例をあげて、解説をお願いします。
ChatGPT:
もちろんです。以下に、ギリシャ語の二重否定の例をいくつか挙げて、英語との違いについて解説します。
1. ギリシャ語の二重否定の例
例1
ギリシャ語: οὐδεὶς οὐκ ἔρχεται
逐語訳: 「誰も来ない」
意訳: 「絶対に誰も来ない」
解説: ここでは、οὐδεὶς(誰も~ない)とοὐκ(~ない)の2つの否定語が使われています。ギリシャ語では、こうした二重否定が「誰も絶対に来ない」という強い否定の意味を表します。
例2
ギリシャ語: οὐδείς οὐκ εἶπε τίποτε
逐語訳: 「誰も何も言わなかった」
意訳: 「絶対に誰も何も言わなかった」
解説: οὐδείς(誰も~ない)とοὐκ(~ない)と τίποτε(何も~ない)が同じ文に出てきて、全体として「何も言わなかった」を強調しています。これも「絶対に何も言わなかった」というニュアンスを伝えます。
2. 英語の二重否定の例と比較
英語の場合、二重否定が使われると、意味が肯定的なものに反転することが一般的です。
例1(英語)
英語: "I don’t know nothing."
逐語訳: 「私は何も知らない」
意味: 「私は何か知っている」(二重否定で肯定の意味)
解説: 英語では、「I don’t know nothing」と言うと、「何も知らない」という意味にはなりません。二重否定が使われることで、「何かを知っている」という肯定のニュアンスになります。英語では、このような二重否定は一般に文法的に間違っているとされる場合が多いです。
例2(英語)
英語: "Nobody didn’t say anything."
逐語訳: 「誰も何も言わなかった」
意味: 「誰かが何かを言った」(二重否定で肯定の意味)
解説: 英語では、「Nobody didn’t say anything」と言うと、「誰も何も言わなかった」という強い否定の意味にはならず、「誰かが何かを言った」という意味になります。
あなた:
マルコ 13:32など
ChatGPT:
マルコ13章32節(Mark 13:32)のギリシャ語のテキストをもとに、文の構造と二重否定について解説します。この箇所は、特定の出来事(終わりの時や再臨の時刻)が「誰にも知られていない」という強い否定を表す部分です。
マルコ 13:32(ギリシャ語原文)
Περὶ δὲ τῆς ἡμέρας ἐκείνης ἢ τῆς ὥρας οὐδεὶς οἶδεν, οὐδὲ οἱ ἄγγελοι ἐν οὐρανῷ οὐδὲ ὁ Υἱός, εἰ μὴ ὁ Πατήρ.
日本語訳
「その日、その時については、だれも知らない。天の御使いたちも、子も知らない。ただ父だけがご存じである。」(新改訳)
逐語訳と分析
Περὶ δὲ τῆς ἡμέρας ἐκείνης ἢ τῆς ὥρας
Περὶ(~について)+ τῆς ἡμέρας(その日)+ ἐκείνης(その)+ ἢ(または)+ τῆς ὥρας(その時)。
「その日、その時について」
οὐδεὶς οἶδεν
οὐδεὶς(誰も~ない)+ οἶδεν(知っている、完了形の3人称単数)。
「誰も知らない」
οὐδεὶςは「誰も~ない」という強い否定を表し、これにより「完全に知られていない」というニュアンスが強調されます。
οὐδὲ οἱ ἄγγελοι ἐν οὐρανῷ
οὐδὲ(~さえない)+ οἱ ἄγγελοι(天使たち)+ ἐν οὐρανῷ(天にいる)。
「天にいる天使たちも知らない」
οὐδὲも「~もまた~ない」という否定表現で、ここでは「天使たちでさえ知らない」という強い否定を表します。
οὐδὲ ὁ Υἱός
οὐδὲ(~さえない)+ ὁ Υἱός(子)。
「子も知らない」
ここでもοὐδὲが使われ、「子でさえ知らない」という否定が強調されています。
εἰ μὴ ὁ Πατήρ
εἰ μὴ(ただ~のみ)+ ὁ Πατήρ(父)。
「ただ父だけが知っている」
二重否定の分析
この節では、οὐδεὶς(誰も~ない)と οὐδὲ(~さえない)のように、複数の否定語が使われて「絶対的な否定」を強調しています。これにより、「その日、その時を知る者はまったくいない」という意味が強く示されています。ギリシャ語の文脈では、このような否定が複数あることにより「誰も知り得ない」という強い意味合いになります。
英語との比較
英語訳では、「No one knows, not even the angels in heaven, nor the Son, but only the Father.」のように、"no one" や "not even" を使って否定が強調されますが、二重否定は使われていません。ギリシャ語とは異なり、英語の否定語が2つ重なると肯定の意味になる可能性があるため、英語では二重否定が避けられます。
まとめ
ギリシャ語の二重否定: 否定語を重ねることで、「絶対に知らない」という強い否定を表現。
この節の意味: 終わりの時については、天使も子も知らず、唯一父だけが知っている。
英語との違い: 英語では二重否定を避け、"no one" や "not even" などで強調する。
このように、ギリシャ語の二重否定は英語とは異なり、強調のための役割を果たします。
あなた:
そうですね。
ChatGPT:
おっしゃるとおりです。ギリシャ語では、二重否定が「絶対的な否定」を表現するために使われ、英語のように肯定の意味に変わることはありません。特に聖書のギリシャ語では、こうした二重否定や否定の強調が頻繁に使われていて、神の絶対性や、特定の出来事が「誰にも知られていない」などの意味を強く伝える役割を果たしています。
こうしたニュアンスが理解できると、ギリシャ語の聖書の解釈がより深まり、言葉の持つ強調や意味合いがさらに豊かに感じられると思います。何か他にもご質問や気になる点があれば、どうぞお知らせください!