母親は家族の中心的な存在であり、いわばみんなの心の支柱。なんだか良く分からないが、とにかく安心感がある。
たとえて言うならば、長年家事をこなしてきた手でにぎったおにぎりの味は格別で、ちょっとした不安や悩みなどすぐに吹き飛ぶパワーが入っていたり。
運動会で縫い付けてくれたゼッケンは、徒競走のお守り代わりだったり。
そしてなにより安心するのは、その声だったりする。
赤ん坊はお腹にいる頃から母親の声を振動として聞いている。母親の香りに包まれて背中をトントンされながら子守唄を聞けば、この世で一番やさしい愛の世界が広がる。
赤ん坊は成長とともに、母親のいろいろな声音を耳にすることになる。やさしい声ばかりではなく、ときには厳しく𠮟られる経験もする。ビックリして泣いたりもするけれど、これはよくないことだと学び経験値があがる。
おはよう~
ごはんだよ~
おかえり~
手洗った~
おやすみ~
毎日くりかえし、母親の声を聞いてゆっくりと育っていく。
いつしか大人になり同じように母親となって、お母さんのやさしさにあらためて気づかされることとなる。
今になって思い出すことは、こういうことなのかもしれない。ずっとそばにいてくれて、あたり前だったこと。
お盆に会えるのが楽しみですね。
このブログでは、「あの人との、ひとり言」コンクールの入賞作品の中からランダムにチョイスした名作たちを紹介して参ります。作者の心情に寄り添ったり、自分もこういうことがあったなと思い出を探してみたり、コンクール応募のきっかけにもなれば・・・という思いで、不定期に更新していきます。
ステキな作品に、どうぞ出会ってください。