カメヤマ 「あの人との、ひとり言」コンクール名作選

カメヤマは三重県亀山市の地でに創業してもうすぐ100周年。初代が伊勢の宮大工だったことから、神に捧げるローソク製造を始めました。このnoteは、毎年開催している「あの人との、ひとり言」コンクールの応募作品の中から、心に残った作品を皆さまにご紹介するブログです。

カメヤマ 「あの人との、ひとり言」コンクール名作選

カメヤマは三重県亀山市の地でに創業してもうすぐ100周年。初代が伊勢の宮大工だったことから、神に捧げるローソク製造を始めました。このnoteは、毎年開催している「あの人との、ひとり言」コンクールの応募作品の中から、心に残った作品を皆さまにご紹介するブログです。

最近の記事

過去の受賞作品紹介#6『孫とおりん』

みなさんこんにちは。 「あの人との、ひとり言」コンクール事務局です。 いよいよ7月も、今日と明日を残すばかり。 木曜からは8月に突入です。 コンクールは残すところあと2カ月となりましたよ! 本日は、2017年度の大賞作品をご紹介します。 【審査員コメント】 亡くなったお父さんの姿が、何度もおりんを鳴らす孫の向こう側に見えるような気がしてきます。 また、ニコニコとうれしそうなお父さんの顔が、ありありと見えるようです。作品の中に“音”が聞こえて、“情景”も伝わってくるとこ

    • 過去の受賞作品紹介#5『かわいい孫』

      みなさんこんにちは。 「あの人との、ひとり言」コンクール事務局です。 暑中お見舞い申し上げます。 暑さにばてていませんか? 本日は、2018年度の大賞作品をご紹介します。 【審査員コメント】 息子さんが仏間に小さなお茶碗を持ってくる微笑ましい情景がよく伝わってきました。日常の中で仏壇を大事にして、毎日の習慣があるからこその発想だと思います。 【カメヤマコメント】 かわいい息子さんですね。きっとじぃじは食事どころではなく、お孫さんの頭をなでまわしているのではないでしょう

      • 過去の受賞作品紹介#4『おとうさんのぬくもり』

        みなさんこんにちは。 「あの人との、ひとり言」コンクール事務局です。 梅雨もすっかり明け、猛暑がやってきました。水分補給をしっかりとして、熱中症にはお気をつけくださいね。 本日は、2019年度の大賞作品をご紹介します。 【審査員コメント】 抱っこされたときのお父さんの胸もとの匂いまでしてきそうな作品。誰もが思い当たるだろうエピソードに、みんなが惹きつけられました。"愛”が詰まっている感じがします。 【カメヤマコメント】 とてもかわいいエピーソドです。子どもは親の愛情を

        • 今年でラスト!「あの人との、ひとり言コンクール」

          今年で第9回を数える、「あの人との、ひとり言」コンクールも 今回でいよいよラストイヤーです。 ここまで、数えきれないほどの感動的な作品が寄せられました。 読み返すと思わず涙がにじむものばかり。 ラストイヤーだからこそ ラストイヤーであれば ラストイヤーだったら 応募してみよう! と思ってくださる皆様からの ご応募お待ちしております! -------------------------------------------------------------------

          過去の受賞作品紹介#3『僕からお母さんへ』

          みなさんこんにちは。 「あの人との、ひとり言」コンクール事務局です。 今日の東京は梅雨空ですが、過ごしやすい気温です。 本日は、2021年度の大賞作品をご紹介しますね。 【審査員コメント】※順不同・敬称略 重い障害を負って生まれ、12歳で亡くなった息子さんの言葉『お母さんは悪くない』。本当にすごい言葉だったと思います。これほどの愛と感謝がこもった言葉はないでしょう。心から感動しました。(湯川 れい子) 幼いはずの年齢なのに、悟りきったような言葉に驚きました。お母さんを

          過去の受賞作品紹介#3『僕からお母さんへ』

          過去の受賞作品紹介#2『じーちゃんへ』

          みなさんこんにちは。 「あの人との、ひとり言」コンクール事務局です。 本日は、2022年度の大賞作品をご紹介します。 ■審査員コメント ※順不同・敬称略 何でも相談し報告できる優しいおじいちゃまで、今も「現世の人よりよっぽどじーちゃんと喋っとるね」なんて、大好きだったことがよく伝わってきます。さらに最後のひと言「もうすぐひーじーちゃんになるね」で、この方に赤ちゃんが生まれることもわかる。短い中にうまくまとめられていますね。(湯川 れい子) おじいちゃんが、常に心の拠り

          過去の受賞作品紹介#2『じーちゃんへ』

          第9回「あの人との、ひとり言」コンクール作品応募受付中!

          今年も始まりました「あの人との、ひとり言」コンクールも第9回を数えます。毎年多くの応募をいただいておりますが、今年も9月30日(月)の締め切りまで目一杯応募を受け付けておりますので、皆様ぜひチャレンジお待ちしております! どのように書いたらいいの? という方に向け、今日から「過去の受賞作品」を紹介して参ります。 何気ないひとことが心に沁みたり、忘れられなかったり…。 毎年そのような作品が多く受賞しております! ■審査員コメント ※順不同・敬称略 「泣くな」と言い残して

          第9回「あの人との、ひとり言」コンクール作品応募受付中!

          コンクール、締め切り迫る!

          第8回「あの人との、ひとり言」コンクールの締め切り(2023年9月30日(土))まであともう少しとなりました。 今は亡き大切な方を想って手を合わせたときに「浮かんでくる言葉」を紡ぐこのコンクール。80文字以内という制限がある中で、言葉をどのように組み合わせればよいのか、悩むところです。 ここ近年の入賞者の方々の作品を見ていると、上手い下手ではなく、あまり奇をてらわずに素直な言葉で表現している作品が選ばれているという印象を受けます。 2022年の大賞作品をご紹介します。

          名作選14「みえない絆」

          人にやさしい心があるように、犬にも人間に近い感情がある。これは、犬が人間とともに生きてきた歴史の中で、他の動物には見られない認知能力の進化を遂げたという研究結果からも明らか。 しかし、犬を飼ったことがある人にはそんな研究結果など聞かずとも、意思疎通が普通にできていると思っている人のほうが多いのではないだろうか。 従順でお茶目でやさしい。昔飼っていた犬も、今現在一緒に暮らしている犬も。それぞれが違った個性で、人間とともにコミュニケーションを取って暮らしている。なんと愛おしい

          名作選13「あの日の風景」

          記憶の中にある風景がフラッシュバックするときがある。切り取られた風景が浮かび、そこに会いたい人が笑っている。懐かしくて切なくて、そして強烈な多幸感に包まれる瞬間。 季節の香りとそのときにしていた会話と笑い合っている空気感。もう二度と会えない人、風景がリアルに蘇る。 ときどき無性に帰りたくなる、あのときに。 ということが、あなたにもあるかもしれない。きっと誰にでもそういう瞬間はあるのだと思う。 セミの声を聴きながら小高い山の上にある神社まで散歩。そこからは夏の日差しに照

          名作選12「親ゴコロ」

          「ママこれあげる」 見ると小さな紙に何やら書いてある。難解な文字らしきものと赤い丸がふたつ蝶々のように描かれている。 「ありがとう!」 と喜んでみせると、娘の顔がみるみる笑顔になってちょっと得意げな表情をする。ママが喜ぶことがとにかく嬉しいのだ。 ある日、保育園から帰って来た娘を夕飯前にお風呂に入れようと準備をしていた。準備できたよ、と呼んでも一向に来ない。さらに大きな声で呼ぶ。それでも来ない。 「なにやってるの!早く来なさい!」 思わず叫んだ。 すると、ズボン

          名作選11「おばあちゃんの愛」

          自分は愛されて育ったんだ―—。 それに気づいたときに沸き起こる感情は、一瞬にして幸福感をもって全身をかけめぐる。まるで目に見えぬ何かが身体を包み込むような不思議な温かさを感じる。 例えば、高校の卒業と同時に地方から上京し、大学生活を経て晴れて社会人となる。楽しいばかりの学生時代とは違い、社会人ともなるとたくさんの理不尽とも付き合っていかなければならない。モヤモヤの中で息をして、その日のうちにモヤモヤをクリアに出来ぬまま、また次の日の朝には満員電車にゆられ心が疲弊する毎日。

          名作選10「再会したら」

          「定年したら何しようかな…」 「腹を割って話せる友達なんて、もうこの歳になるといないよな…」 アラフィフ、アラカンの男性がよく口にするこのセリフ。当てはまる方は結構多いと聞く。 家族のために一生懸命に働き続け、いつの間にか定年間近。これといった趣味もなく、飲みに行くプライベートの友達もいない、ということにあらためて気づく。さてどうしたものか。 新たな趣味を見つけ、その趣味を通して仲間ができたり。バイクの免許を取ってバイク旅をするなどひとりで完結する趣味もまたよし。 歳

          名作選9「ばあちゃんの玉手箱」

          粋な人に憧れる。 人の気持ちを思いやることができるため共感力が高くて、場の空気をさっと読んで気の利いたことをサラリと言ってのける。ときには、何も言わずにみんなが喜ぶことをやってのける。それでいて、見返りは求めない。 男女問わず、こんな粋な人がいたら惚れてしまう。 ユーモアのある人にも憧れる。 どんな変化球も受け止めて、笑いに変換して投げ返す。重苦しい空気の中でも、ここぞという隙を見逃さず笑いを挟み込んでくる。誰も傷つけない笑いで。 こんな人がいたら、人生が楽しくなる。

          名作選8「宴会のスター」

          近ごろは大勢が参加する飲み会を敬遠する人も多いと聞く。特に若い年代でその傾向はよくみられるのかもしれない……。大宴会で思い浮かぶのは「THE 昭和」の風景。サラリーマンが頭にネクタイを巻き、踊り狂う阿鼻叫喚の世界。平成生まれのZ世代には到底受け入れられない光景かもしれない。 しかし、だ。参加している人々の趣味嗜好の最大公約数を求めて幹事が奮起したとて、みんなが「面白い」と感じてもらえる飲み会が、どうすれば実現できるのだろうか。 まず、幹事になる人がいない。今の世の中、幹事

          名作選7「おばあちゃんの梅干し」

          真夏の炎天下のもと、汗も気にせず走り回っていた子ども時代。渇いた喉を潤すのはがぶ飲み麦茶と縁側に座って食べたスイカ。夜になると、蚊取り線香の香りの中花火をして、風鈴が聞こえる畳の部屋で寝た。そんな子ども時代の夏の思い出は、誰しも記憶のどこかにあるもの。 夏の思い出の中に出てくる食べ物もある。 おばあちゃんの家で食べた昼の定番と言えば、ぬか漬け、そうめん、梅干しのおにぎり。味噌小屋と呼ばれる離れがあって、そこで自家製の味噌を熟成させるのだと聞いた。大きな壺に入った梅干しもそ