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1/24 BSO Beethoven 8&9② カラヤンは「黒蜜」?じゃあネルソンスは?

休憩挟んで第九。この日ソプラノとテノールは代役だったよう。ソプラノはなんか安定感があまりなくてイマイチだった(笑)バリトンももうちょっと声量が欲しかった。

METやヨーロッパに行っていろいろオペラを聞いてきて、改めてこの第九を聞いてみると、歌唱パートはどれも技術的にとても難しそうに感じた。自分は声楽のことはあまりよくわからないけど、テノールやソプラノの高音は合唱にはとても苦しそうな箇所もあるし、音の跳躍や音域の広さはソリスト合唱ともに歌いにくそうだなと。

オケは本当に素晴らしかった。特に2楽章と3楽章。
2楽章は馬に乗って、深い森の中をあてもなく駆けているような感じ。

canvaでai生成してみました

長調のところは時折偶然開けたところに出て、陽がさして楽しくなってるような。長調と短調が目まぐるしく入れ替わりながら、時々急に立ち止まったりしつつも疾走していく感じがとても楽しい。
行き先がわからずどんどん焦って焦って転がり落ちた先に、ニ長調のトリオのオーボエの旋律に行き着く。これまでの鬱蒼とした雰囲気とはうってかわって束の間の安らぎにホッとする。
↓トリオ直前から再生されます。


なんかキモい感じになったけど、ネルソンスはこんな感じの風景がカラフルに浮かぶようなとても表情豊かでナチュラルな音楽だった。伸びやかでフレーズがどんどんつながっていく感じ。
フレーズの長さというとカラヤンも共通するのかもやけど、ネルソンスはもっと柔らかくて時折淡さもあるような。
例えるなら、カラヤンが黒蜜(力強く官能的、深み)だとすると、ネルソンスはメープルシロップ(繊細、琥珀色の透明感)ではなかろうか?
万人ウケ、というと逆に聞こえが悪いかもしれないが、誰の心にもスッと浸透する自然体の解釈が彼の魅力なのかな、など考えていました。

4楽章の合唱はなんか、日本の合唱団とは音色感みたいなものが異なっていた。残響みたいなのが少なくてすごくスッキリしていた。合唱が入るまではヨコの音楽の流れが心地良かったけれど、合唱が入るとタテにピンと糸が張られた感じ。
統一感はあったのかもしれないが、自分の第九のイメージとはちょっと違った。


客席もほぼ満員


ネルソンスめちゃ痩せてるのがお分かりいただけるかと

来週はまたネルソンスでコルンゴルトの死の都。カレッジカード使えますように!

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