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家族で楽しむ面白実写映画かと思いきや…「はたらく細胞」映画感想文

 のだめカンタービレ、テルマエ・ロマエ、飛んで埼玉、数々の漫画原作実写作品を成功させてきた武内英樹監督による「はたらく細胞」の実写映画。
 それは間違いないわ~と何も心配することなく楽しみにして初日に観てきたのですが、後半から意外な展開になっていて驚きました。
 以下はいつも通りネタバレ全開の感想文ですので、これから観る予定の方はご注意下さい。


 前半は永野芽郁さん演じる赤血球、佐藤健さんが演じる白血球を始め、お馴染みのキャラクターたちをよく知っている俳優さんたちが演じているのを楽しみ、白血球さんが壁走るわ駆け上がってぐりんぐりん回転するわでアクション凄すぎて面白かったのですが、アニメ1期をなぞる内容で終わりかな?と軽く考えてました。まあ終盤でFukaseさんがガン細胞として出て来るんでしょう、くらいの予想で。
 でも完全に予想を裏切られて、だいぶ闘病ものとして仕上がってましたね……。

 「人間」として登場する芦田愛菜さんと阿部サダヲさんは、あくまで細胞の世界の分かりやすさの為に登場するんだろうくらいにしか思っていなかったのですが、普段不摂生な生活をしていた父親より、健康に気をつけていた筈の娘のほうが白血病になってしまうのもなんかリアルだな~と思ってしまいました。どれだけ気をつけていたところで、病気になる時はなりますもんね……。
 前半のテーマパーク感溢れる体内の世界が容赦なく滅ぼされていく放射線治療の様子はなかなか見ていてしんどかったです。
 すごいなと思ったのは、原作でもアニメでもお馴染みのキャラクターたちを死なせてしまったこと。
 てっきり興行収入がよければ続編の計画もあるのだろうと勝手に考えていた本作でしたが、人体に対して誠実すぎる…と呆気に取られてしまいました。ラストで赤血球さんと白血球さんは違う細胞として生まれ変わって(?)いたので、キラーT細胞やNK細胞ももちろん再び存在はしているのでしょうけど、思い切ったことするなあと。

 佐藤健さんのアクションは期待通りでしたし、永野芽郁さんの素朴で愛嬌のある存在感がすごく可愛かった。血小板ちゃん集合シーンは本当に微笑ましかった。
 しかしガン細胞改め白血病細胞を演じたFukaseさんの、この世の全てを本当に憎んでいそうな表情が特出して良かったです。まさか白血球さんと昔からの繋がりを持たせてブロマンス要素まで挟んでくるとは思わなかった。ありがとうございます。
 あと仮面ライダー電王大好き人間としては野上姉弟の共演でテンションが上がっていたので、松本若菜さん演じるマクロファージさんのスカートのブワッと巻き上がるシーンで内心大喝采でした。あの重厚なフリルが揺れるのがたまんないですね! 大好き!!

 ラストの手紙でタイトル回収までなされたことといい、ブラック環境側も描いたことといい、楽しくて学びのある映画であることは間違いなく、しかしただ面白い映画では終わらない、シビアな内容に仕上がっていたのが本当に驚きでした。
 私が今年一人で開催していた月に一度は映画館で映画を観て感想を書こうキャンペーン2024は本作で終わりですが、締めとして観た映画が本作で良かったなあと思います。

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