CA新人訓練、鬼教官もびっくりな訓練生の話。
2日目早朝。
動きやすい格好で集合したCA訓練生。
新人社会人お決まりの「時間に遅れるな」を教官は教え込みたかったんでしょう。
その目的をいとも簡単に達成させてくれる訓練生はもちろんここにもいるわけです。
2分遅刻の訓練生2人。
めっちゃ静かな丁寧な声で指導を受けます。
訓練生、泣きます。
泣きの指導を受けている間、動きやすい服装で集められた我々は敷地内をランニング。
体力作りの後、提出物を出した時、
「伝えたとおりに書くべきことを書いていません」(どこを直すべきかは教えないスタイル)
と再提出を求められる訓練生数名。
謎の緊張感に包まれて泣いてしまいます。
教官に話しかけられて答えた時、
「返事する時は『承知しました』と言えませんか?」
と指導される訓練生。
もはやどこで何を注意されるのかわからない緊張の中で過ごす日々。
そんな中、どこにでも必ず1人はいる「空気読めない系の人」ここにも居ました。
ある筆記テストの返却の日、彼女は欠点をとりました。教卓に呼び出された彼女。開口一番、
「これ、誰かに書き直されてます。」
これには教官もびっくり⁈と思いきや、顔色ひとつ変えることなく、
「誰が変えたのでしょうか?」
と返答。
「分かりません。誰かが私を陥れようとしています。」
訓練生たちはもちろんドン引き。かめ子もドン引き。
その後、彼女は教官部屋に連れて行かれたのですが、帰ってきても泣いていた様子もなく、
「本当、困っちゃうよね。再テストだって〜。」と。
「そりゃそうなるやろ。」
彼女はその後も、
部屋からタバコの吸い殻見つかる事件。
訓練中の写メをSNSに載せる事件。
筆記テストカンニング事件。
色々な事をしてくれました。
ただ、CAへの情熱と「絶対にパイロットと結婚する!」という情熱はブレることなく際立っていました。
訓練から数年経った今、彼女の旦那様はパイロットです。有言実行って凄いですよね。
他にも、既卒組ですから、新卒の可愛い訓練生とは一味ちがう「姉さんキャラ」もいるわけです。
訓練が5分延びて午後5時5分に終わったその日、外資系航空会社から転職してきた彼女は最後に挙手して教官に言いました。
「5分延長した分の手当は出るのですか?」
同期全員フリーズです。もちろんそんな考えはかめ子の中にも微塵もありませんでした。
この彼女もすぐに教官部屋に呼び出され、話し合いをしたようです。
ソワソワしながら待っていた私たち。そこへ戻ってきた彼女は言いました「海外では自分で主張しないと損するばかりだよ?」「定時より5分遅れの退社は残業だと思わないの?」と。
でも、「ここは日本だから、変な主張したら自分が損するよ?」「大企業相手に何を言ったって何にも変わらないしこっちが変な人ってマークされるよ。」とザ日本人的な返答をしたかめ子と同期達。
今となっては姉さん側の考えですが、当時はそんな考えを持つ姉さんに驚いたものです。
もちろん訓練生に残業代なんて出ませんでした。
しかしそれ以降、5分以上の延長はなかったと思います。姉さんの主張は会社に響いたのでしょう。
同期達の個々のキャラもわかり始めた1ヶ月目。
まだまだ制服はもらえません。しかし座学が終われば実機に見立てたモックでの訓練が始まります!テンションが上がるこの瞬間!
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