CA新人訓練、ひたすらに間違い探し訓練をする1ヶ月。
座学、緊急脱出訓練、救命救急訓練、と脳みそと身体を使っての訓練は佳境を迎え、ついにモックアップでの離着陸前の準備訓練が繰り広げられる事となりました。
簡単に言うと間違い探しです。
CAが離着陸前に「離陸の準備、着陸の準備」として客席をジロリと見て回ってますよね?あれです。
ポイントとしては、
・足元の荷物は前の座席下に完璧に収まっているか?(ちょっとでも出たらアウト)
・テーブル、アームレスト、レッグレスト、座席は元の位置に戻っているか?
・上の物入れに何も挟まっていないか?キチンと閉まっているか?(怪しい時は引っ張ってみる)
・シートベルトは正しく装着されているか?(正座しながらはアウト、毛布の下で見えないのはアウト、お子様を抱っこしながらお子様越しのベルト装着はアウト、ゆるゆるもアウト、ねじれもアウト)
簡単に言うとそんな感じです。
全てに理由があります。そして全てはお客さまの安全のため!
で、お客様に見立てた同期の訓練生が実際に座席に座り、教官の指示のもと様々な仕掛けをしてくるのです。それらをぜーんぶ見つけて、注意して直して、「離陸準備オッケーです!」と言えたら合格!
それがもう、難しい難しい。
引っかけ問題もあるある。
「え、その荷物出てんの⁈
ほぼ座席下に入ってるやん!」
とか
「頭上の物入れ、閉まってると思いきやハンカチがちょろりと挟まっとるやん!」
とか
「背もたれ倒れてるの2ミリくらいちゃうのこれ⁈」
とかとか。
んで何度も繰り返しやってると次第に頭がおかしくなってきて見つけ漏れも増える増える。
つまり合格できずにエンドレス。
何が怖いって、間違えてても真顔でずっとこちらを見つめてる教官の目。
ま、なんだかんだで全員合格したから今があるんですけどね。
しかしこの訓練が精神的に追い詰めるものだったおかげで実機に乗った時、お客様に執拗な注意を繰り返してしまい先輩が後からお客様に謝りに行ってるのを見てしまいました‥。
場数を踏めば、お客様に嫌な思いをさせない言い回しとか色々学ぶんですけどね。
だから飛行機に乗る時、やたら厳しく安全確認をしてくるCAさんと出くわすと「新人ちゃんかな?」と思ってます。
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