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大学物理おすすめ専門書/演習書

どうも。たーとりのです。今回は僕が使用した物理の専門書や演習書を紹介します。先に断りを入れますが、僕は半年前に物理の勉強を始めたので、物理に対する造詣がまだ浅いです。言い換えれば、初学者目線に立って易しめな本をおすすめできると思います。

また、僕がおすすめする参考書の傾向は数式よりも図で理解することを主眼に置いているので、ゴリゴリに数式を吟味したい!という方には合わない可能性が高いです。

1.ゼミの重要性

おすすめ参考書を挙げる前に声を大にして話したいことがあります。それはいろんな人とゼミや勉強会をやれ!ということです。

1人で勉強する最大のデメリットは正しく認識できているか分からないことだと思います。だからこそ、自分以外の人と同じ書物を読むことで認識の誤りに気付く可能性も高くなりますし、おまけにその過程を経ることで相手に正しく物事を説明する力も養えると思います。

式変形を追って物理的な意味を考える会でもいいし、ひたすらに演習問題を解く会でもいいので、他人を巻き添えにして物理を理解する姿勢が大事です。(無論その他人も物理に興味があることが前提ですが)

2.力学

2.1よくわかる初等力学/よくわかる解析力学


力学に限らず、前野さんの「よくわかる」シリーズはおすすめです。図が随所にあり、今どんな状態?を考えるクセが定着した気がします。

解答解説が不十分だと感じたため、演習問題はやってません。

2.2 理・工基礎 解析力学-田辺行人、品田正樹著

この本の特徴はとにかく演習量が多いことと、解答が丁寧なことが挙げられます。

一度はやっておきたいパターン問題が豊富で、特に調和振動子の問題はこの一冊で網羅していると思います。万有引力の問題は少なめなので、別の問題集で補完する必要がありそうです。

解答は細かな式変形まで追ってくれているので、解答の意味に悩むことがほとんどありませんでした。

2.3 演習 力学 セミナーライブラリ物理学

言わずと知れた演習書です。説明は不要。よしやろう。

2.4 詳解 力学演習

この本は辞書のように使うといいと思います。全部の問題を解く時間は無いので、分からなかった問題の解き方を調べるような用途で活用していました。

3.電磁気学

3.1よくわかる電磁気学


この本も図が明快でした。特に誘電体の説明は非常に分かりやすかったです。数式をこねくり回さず、まずはイメージで物理を追いたい方におすすめです。

電磁波の説明が端折っている節があるため、電磁波に関しては別の参考書で補完した方が良さそうです。

3.2マクスウェル方程式から始める電磁気学

この参考書は、歴史を追って電磁気学の成り立ちを説明するタイプではなくマクスウェル方程式を最初に示した上で、電磁気学の様々な現象をマクスウェル方程式と対応しながら説明するタイプです。

個人的には後者の方が肌に合っており、マクスウェル方程式を必要以上に身構えることはなくなったため、まずはマクスウェル方程式について理解を深めたい人に強くおすすめします。また、この本も電磁波について深く言及しておらず、演習量はそこまで多くないため他で補う必要はあると思います。

また、少し気になった所は、点電荷の重ね合わせを用いて電位のスカラーポテンシャルを積分系で導出するプロセスをそのまま電流にも適用していたため、点電流を考えている……???となった箇所がありました。

3.3 砂川電磁気学

この本は名著です!僕自身も大変お世話になりました。しかし、最初にこの本を手に取るのはおすすめしません。式の変形を追うので手一杯と感じたからです。

また、図が少ないためイメージが湧きにくいことも難点に挙げられます。しかし、文章は分かりやすく、例題も豊富なので一冊で電磁気学を学ぶには適している本と言えます。

特に電磁波の分野では、むしろ式変形の多用することで理解が深まりました。

3.4 詳解 電磁気学演習

これは辞書です。

3.5 でんでん虫

僕の電磁気学の深い理解に大きく貢献してくれた教材は「でんでん虫」さんのyoutube解説動画でした。

この動画の強みはなんといってもアニメーションを通して現象の理解を促す構成という点です。また、前提知識も併せて解説してくれるため、「〇〇を理解するにはまずは△△から。そして、△△とは□□という意味で……」このようなマトリョーシカ状態に陥らずに済みます。

※「でんでん虫」さんから動画を引用する許可を得ています。

初学者にとって概念がわかり辛い物理でも、アニメーションを通して簡単に本質を理解できます。身構えていた分、かなり肩透かしを食らった記憶があります。

3.6 電磁気学基礎論

この本の特徴は最初から数10ページはベクトル解析について詳しく説明しており、電磁気学が一切でてきません。したがって、ベクトル解析が得意な人には刺さる一冊だと思います。

4.量子力学

4.1 よくわかる量子力学

量子力学は今まで培ってきた古典的な描像から離れないといけないため、力学や電磁気学と比べて特に想像し辛い分野だと思います。この本も、とにかく図を活用して説明しているため、イメージしやすくなると思います。またこの本は、古典的描像とどう違うのか?というところを重きに置いている印象があります。

4.2 猪木川合量子力学

この本は最初にやるのはおすすめしません。かなり難しいと感じました。僕は第10構以降は断念しました。

図はほとんどなく、文章や式説明が基本的な構成です。序盤の方でシュレディンガー方程式を導出して、量子力学の現象を紐解く構成になっているため、シュレディンガー方程式を用いた量子力学の考え方が早くから学べる利点があります。

また、演習問題は手応えがあるもの揃いで、解説も丁寧なので、演習書としても便利です。

4.3 演習しよう量子力学

多すぎる誤植さえ目を瞑ればこの本は演習書における金字塔です。特に行列力学の理解を促進するにはもってこいの教材です。

4.4 詳解 量子力学

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5.統計力学

統計力学は物理学科の友達とゼミ形式で勉強したため、これといった参考書を知りません。かじった程度ですが、一応参考にした本を紹介します。

5.1 物理学講義統計力学入門

この本は、与えられた状態に対してどのアンサンブルを使うか、さらには用いるアンサンブルが分かっていても式変形の結果が何を表しているか分からないという悩みに対して解決してくれる本だと思います。

6.まとめ

このnoteでは、初学者におすすめな参考書の特徴を紹介しました。是非手に取ってみてください。

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